顧客ロイヤルティを測る
NPSの持つ課題

「0~10点で表すとしたら、当社を友人に薦める可能性はどのくらいありますか」

 おそらく消費者であれば、このような短い質問を何十回と目にしたことがあるだろう。それはオンラインで買い物した後やカスタマーサービスを利用した後、あるいは病院から退院した時などではないだろうか。

 顧客にこの質問を投げている企業は何千社とあるが、もしそのうちの一社で働いているならば、筆者の一人であるライクヘルドが考案し、約20年前にHBRで初めて提唱した「ネット・プロモーター・システム」をよくご存じのことだろう[注1]。ネット・プロモーター・システムはそれ以降、世界中に急速に広まった。今日ではフォーチュン1000のうち3分の2の企業が用いており、カスタマーサクセス(顧客を成功に導く取り組み)の主要なフレームワークとなった。