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リーダー教育の多くが個性を無視している
多くの組織がリーダー能力の開発に苦労している。成績優秀者は昇進させればよいが、多くはワークショップやセミナーを受講させるだけで、あたかもオオカミの群れに放り込むがごとしである。
その後は、ダーウィンの進化論よろしく、生存し成長する能力を備えた者には報酬を与え、その能力に欠ける者には再教育、または異動を実行する。実のところ、驚くほど多くのマネジャーたちが後者に該当する。
なぜこれほどまでに大勢の人たちが成功のチャンスを台無しにしているのだろうか。新米マネジャーは担当業務に関する手腕やスキルが未熟だが、これだけを失敗の理由とするわけにはいかない。私がたどり着いた結論によると、彼らが失敗する原因は、所属する組織における人材開発への取り組み方にある。
私は、研修中のマネジャーが困難にして、しかも正解のない経営課題に挑戦したものの、その後見事につまずく様子を何百例も目にしてきた。これらのマネジャーが期待どおりにいかないのは、一人ひとりの持ち味や考え方、姿勢が、リーダーシップにどれくらい影響を与えるのかについて、企業が無頓着だからである。
事実、マネジャーを組織という巨大なるつぼに飛び込ませる前に、彼らの個性を確認していない。研修を施したからといって、リーダー全員が一つの型にはまるとも考えられない。
ネーションワイド・ファイナンシャルは、オハイオ州コロンバスに本社を置く、社員5000余人を擁する金融サービス会社である。当社のリーダーシップ開発プログラムに参加する社員は大きく4つのタイプに分類できる。そして、各タイプには独自の課題やチャンスがあることがわかった。
第1のタイプは「気後れするリーダー」である。彼らは優秀なマネジャーになるために必要なスキルを備えているように思われるが、リーダーの役割をしっかり果たしている姿など、自分ではとうてい想像できないタイプだ。