多様性を備えたサプライヤーが、アライアンスの中で
有意義な役割を担えるようにする
調達側の会社と既存の確立されたサプライヤー、そして多様性を備えたサプライヤーの三者が協働して、多様性を備えたサプライヤーの役割を評価し、以下の2点を確保しなくてはならない。
・業務の範囲を、当該のサプライヤーが通常扱う規模よりも大きいものにすることで、生産能力拡大の機会を創出する。
・当該のサプライヤーが新たな能力を利用して、自社事業を成長させる経験(例:隣接市場への参入、バリューチェーンにおける新たな部分の受託)を積めるようにする。
また、多様性を備えたサプライヤーは、アライアンスの中で、シニアマネジメント業務(例:戦略立案、予算配分)や、人事、事業開発に関連する意思決定にも参加すべきだ。そのような関与がなければ、多様性を備えたサプライヤーは、アライアンスの参加当事者というより、下請け業者のような立場に追いやられ、自社の成長や事業獲得能力に前述のような効果を得ることができない。
メンターシップに対する期待を明確にする
従来の提携において、何らかの形でメンターシップの関係が含まれていたとすれば、それはほとんどの場合、非公式なものだった。成長重視のアライアンスでは、メンターシップを公式なものにしなくてはならない。つまり、既存のサプライヤーと多様性を備えたサプライヤーの間の合意書に明記され、それがきちんと実施されているかどうか、定期的に確認すべきだ。
たとえば、メンターシップに関する合意においては、メンターとな
調達側の企業で、サプライヤー多様性プログラムを担当するリーダーにとって重要なのは、メンター側のサプライヤーに、この契約義務に対する責任を負わせることである。
グーグルではそのために、サプライヤーと一連の話し合いを行い、メンターシップの目標を書面で記録するようにしている。双方のサプライヤーに責任を負わせるために、グーグルのサプライヤー多様性チームは、それぞれのサプライヤーがメンターシップの目標を達成しているかどうかを定期的に調べて、確認している。