「面倒くさい」という気持ちが営業部員の退職につながる
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サマリー:営業組織のリーダーたちは、部下のエンゲージメントを高め、退職率を下げるために、やる気を上げる施策が必要だと考えている。しかし、最も重要なのは仕事に対するやる気ではない。それより重要なのが、業務を「面倒... もっと見るくさい」と思う気持ちを緩和することである。本稿では、リーダーが営業部員の「面倒くさい」という気持ちに適切に対処し、退職率を下げる方法を紹介する。 閉じる

営業部員の約9割が
燃え尽き症候群に

 今日の厳しい販売環境の中で商談をまとめようと思うと、営業部員はコンフォートゾーンの外に出て、これまで経験したことのない難易度の高い活動を行う必要がある。このように敏捷な行動が常に要求される状況は、営業部員たちに悪影響を与えている。

 ガートナーが法人営業に携わる900人以上を対象に行った調査によると、89%の人たちは自分が燃え尽き症候群(バーンアウト)であると感じていて、54%は新しい職探しに動いているという。

 営業組織を率いるリーダーたちは、みずからが非常に難しい人材マネジメントの問題に直面していることをよく理解している。「静かな退職」というキャッチーな呼称がついた職場のトレンドが拡大しつつあることを考えれば、とりわけ問題は深刻だ。そこで、彼らは、部下のモチベーションを高めるために、古くからある戦略を引っ張り出して、給料や評価のあり方を改めようとしている。