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質問に対して答えを持っていない時の対処法
急に質問をされて、うまく答えられなかった経験は誰にでもあるだろう。それは、会社の対話集会の時かもしれないし、直属の部下からレイオフについて難しい質問をされた時かもしれない。あるいはクライアントが急に電話をしてきて市況について質問をしてきた時かもしれない。相手が求める答えを持っていない時、どうすれば人間関係を、そして信頼関係を維持できるのだろうか。
筆者自身、このトピックを身をもって経験したことがある。社会人になりたての頃、在ニューイングランド地方イスラエル総領事館の広報文化部長を務めていた時だ。筆者は米国人だが、中東で凄惨な暴力が振るわれていた時期に、外国の政府の方針を説明する仕事に就いていた。「なぜ(イスラエル)政府はここまで厳しい措置を取るのか」「なぜさらに厳しい措置を取らないのか」といった質問をされた。
この仕事で学んだことは、筆者が難しい質問に対処する方法を見出す際に土台となった。この戦略は、あなたが投資銀行の職員として10億ドル企業のCEOと話す時でも、空港のゲート職員として不安な乗客を安心させる時も、あるいは中小企業のオーナーとして部下たちから質問を受ける時も使うことができる。
難しい質問に対処する方法
1.事前に準備をする
通常、難しい質問の多くは予想できる。対話集会の前に議題を見て、どのような質問が出そうかを考えよう。何人かの同僚とロールプレーをしよう。彼らに難しい質問をしてもらい、快適に、また自分らしく感じられる答えを探ろう。その答えに対して聴衆がどう感じるかを、聴衆の立場になって考えてみよう。
顧客からの厳しい質問に備える時も、同じことができる。自分の組織でクライアントの内情をよく知っていて、一番厳しい質問を投げかけてくれる人を探し出して、クライアントとの会話のシミュレーションをしよう。これは誰にとっても、質問に対処する有効な準備になる。回答を暗記する必要はないが、練習を重ねれば、簡単に思い出せるようになるだろう。
2. 一息ついてから答える
誰でも難しい質問をされると、すぐに答えなければならないと考え、焦ってしまう。しかし完全な情報がない時は、つなぎ言葉をあれこれ口にしたり(それが役に立つ時もあるのだが)、取り留めのない話をしたり、同じことを何度も言ってしまったりすることが多い。信頼を築くには、明快であることが重要なポイントの一つだが、こうした行動は信頼関係を危険にさらしかねない。
回答する前に、ひと息置いて、考えをまとめよう。口を閉じて、鼻呼吸をすることを勧めたい。こうすると話をストップせざるをえない。あるいは、この時のために持ってきた水を一口飲むのもよい。それは相手にも受け入れられる休止であり、どのように答えるか考えをまとめ、感情に支配されないようにする重要な数秒間になる。