「やること」を決めるために
「やらないこと」を共有する
編集部(以下色文字):佐久間さんはこれまで、『ゴッドタン』や『あちこちオードリー』といったバラエティ番組をはじめ、数々のヒット作を手がけてきました。番組制作には、プロデューサー、作家、演出家などさまざまな関係者が携わり、スタッフはもちろん、出演者を含めた一つのチームでつくり上げるものだというお話をされています。ご自身がリーダーとしてチームを率いる際、特に重視していることはありますか。
佐久間(以下略):僕は番組制作のプロジェクトを立ち上げる時、スタッフが効率的に働けるような仕組みを整え、作業のスケジュールを大まかに決めたうえで、このプロジェクトはどのような目的で組まれたか、その目的を達成するためにどんなアプローチを取る必要があるかを必ず共有します。ここでいう目的とは短期の目標ではなく、そもそも何のために番組をつくるかという長期的な目標です。
また、番組の文化、すなわち何をもって面白いとするかを全員に理解してもらいます。企画書の1ページ目に書かれているようなことですが、この基本的な内容が理解されていないと、具体的に何をやるか決める際、番組の目的と合致しないアイデアが出されたり、自分の目が届かないところで目的と外れる行動を取られたりするリスクがあります。