キャリアアップできないことを周囲のせいにしていないか
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サマリー:みずからのキャリアは、みずからコントロールするものだ。上司をはじめとする周囲の人がサポートしてくれる場合もあるが、主導権はあなた自身にある。本稿では、キャリアコーチとして働いてきた筆者が、たとえマネジ... もっと見るャーによる支援がなくても、みずからのキャリアを前進させるための4つのアプローチを解説する。 閉じる

キャリア構築の主導権はあなた自身にある

 昇進を望んでいるのに、上司があなたの成長に関心を示さなければ、士気が下がり、いら立ちが募るだろう。筆者も経験からそれを知っている。キャリアの初期に、自分が相手にされず、チャンスがないように感じた時期があった。ある夏、年に一度の人事考課が急遽キャンセルされ、その後の日程変更も立て続けにキャンセルされたので、これは何を言っても取り合ってもらえないのだと悟り、マネジャーに日程変更はどうなっているのかと聞くのをやめてしまった。

 その年、筆者の人事考課が行われていないことに、誰も気がつかなかった。当時は「誰も気にしていないのなら、面談を催促し続ける必要はない」と思い、そのままにしていた。しかし、すぐにそれが間違いだったと気づいた。評価が見送られれば、成長と給与アップの芽をみずから摘んでしまうことになるからだ。筆者はこの経験から学び、二度とこのような過ちを犯さないようにした。

 もしあなたが、自分の能力が十分活かされず、過小評価されていると感じているのなら、忘れてはならないことがある。あなたのキャリアを決め、導くのはあなた自身であり、あなただけであるということだ。自分の価値を知ることは、たとえそれに見合う評価がされていなくても、極めて重要なことである。

 筆者はキャリアコーチとして働く中で、マネジャーは従業員の昇進を支援すべきであると学んだが、実際には必ずしもそうなっているわけではない。ここでは、拙著Prep, Push, Pivot(未訳)から、マネジャーのサポートがなくてもステップアップするための4つのアプローチを紹介する。

自分でコントロールできることに集中する

 成功はあなたがどう考え、どう行動するかにかかっている。上司が動いてくれる(あるいは動いてくれない)からあなたが昇進できるのではない。重要なのは、あなたが状況にどう対応するか、そして次に何をするかだ。

 上司が自分のキャリアアップに時間を割いてくれない場合、選択肢は2つある。筆者が人事考課を見送った時のように、萎縮して引き下がるか、前進し続け、自分の存在をアピールする方法を見つけるかだ。

 後者が有効な理由は、上司は替わるが、あなたのキャリアはどこまでもあなたのものだからだ。他人の行動で自分の目標が狂わされたり、仕事への思いを他人に左右されたりするのを許してはならない。

 前向きに考えることは、どんな状況でもできる積極的な行動だ。上司のために最善を尽くし、期待以上の仕事をするよう努力し、常に上司とコミュニケーションを取れるようにし、チームに積極的に関与し続ける。同時に、自分のキャリア目標や次のステップに重点的に取り組むことも大切だ。

自分のキャリアコミットメントを定める

 自分のキャリアコミットメントを決めておくと、目標を設定してキャリアの次のステップを計画する際に、自分の意思を貫くことができ、周囲に左右されなくなる。

 そのためには、この先の1年について、次の問いを自分に投げかけてみよう。

・自分がもっとしたいことは何か。

・どんなことで認められたいか。

・どんなスキルを身につけたいか。

・いままでしたことのないことで、どのようなことを始めたかいか。

・どのフィールドで自分の実力を示したいか。

 次に、上記の問いへの回答を踏まえ、項目ごとに即実行することを一つずつ決める。そして、最初に着手するものを決定する。回答をもとに、自分の目標に沿ったキャリアロードマップを作成し、自分で自分のキャリアの主導権を握るのだ。