失敗続きのリーダーが再起するためのステップ
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サマリー:完璧なリーダーは存在しないとはいえ、あまりに大きな失敗が続くと、リーダーとしての信用を失うおそれがある。信用されないリーダーは、再起するのが難しい。あなた自身とチームの両方があなたの仕事ぶりを否定的に... もっと見る見ている場合は、なおさらだ。本稿では、リーダーとして再起を図りたい人をその道のりへと導く7つのステップを紹介する。 閉じる

失敗続きのリーダーは
再起できるのか

 完璧なリーダーなどというものは存在しない。あなたがチームや組織を率いているなら、失敗を犯すこともあるだろう。時には、大きな失敗をしてしまうこともある。完璧なリーダーは存在しないとはいえ、あまりに大きな失敗が続くと、リーダーとしての信用を失うおそれがある。信用されないリーダーは、再起するのが難しいかもしれない。あなた自身とチームの両方が、あなたの仕事ぶりを否定的に見ている場合は、なおさらだ。

 もしあなたが再起したいなら、その道のりへと導くためのステップがある。

1. 自分の内面を見つめて反省する

 他人の物差しで自分を評価する前に、自分の内面に目を向けよう。自分のパフォーマンスがどんなに悪いと感じても、延々と考えないこと。一時停止しよう。「もしこうだったなら」とか「もっとうまくいっていたかもしれない」と考え始めるときりがなくなるが、こうした思考は長期的にもあなたの決断や変化を助けてくれない。それどころか、問題を実際よりも大きく、手に負えないもののように感じさせてしまう。

 こうした反芻思考をする際は、時間制限を設けよう。筆者は、実際にタイマーを使うことを勧めている。あなたが自己評価する目は、あなたのリーダーシップや仕事に対する周囲の評価によって曇っている可能性があるため、どんなに懸命に考えても明確なものにはならないだろう。私はクライアントに、10分だけ反芻する時間を取ることを勧めている。タイマーが鳴ったら、次の段階に進み、解決策を考える。

2. ひと休みする

 時には、さらにはっきりと一時停止したほうがよい場合もある。時間に余裕があるなら、気分転換に小旅行に出かけよう。それが無理なら、次善の策は散歩だ。ポッドキャストやオーディオブックを聴かずに、散歩をしよう。筆者は、1日に1回、騒音や刺激のない状態でのんびり散歩をすることを勧めている。木々に目をやり、近隣の家屋など景色を眺めて、自由に心を動かそう。さまざまな思考を巡らせる。どうすればよりよいリーダーになれるか、どのようなアクションを取るべきかについてインサイトが得られるだろう。

 散歩をしながら、こうしたアイデアを記録できるようにしておくこと。アイデアは具体的なほどよい。ボイスメモを取るのもよいだろう。「今週中にセールスマネジャーと会って、具体的な成功や問題点を確認しよう。ミーティングのスケジュール変更には応じない。そこで把握したことを、火曜日のミーティングで経営陣に報告する」といった具合だ。

3. 事実を把握する

 自分自身を深く見つめ直す作業を終えたら、外部のデータを集めて、リーダーとしてどのような目標を掲げるか、そしてチームのあなたに対する否定的な評価に事実の裏付けがあるか把握しよう。

 まず、あなたの人事評価を見て、一対一の面談を振り返る。そして、次のように自問自答してみよう。

・どの領域を強化する必要があるか。
・改善を何度も指摘されている領域があるか。
・経営陣が提案した変化を起こす努力を誠実に実行したか。

 多くのリーダーはここでつまずく。困難な変化を起こすことに抵抗して、「明日」に先延ばしするのだ。まず、自分が抵抗してきた変化を見つめよう。上司にさらに多くの質問をして、改善すべき領域の強化に着手しよう。360度評価を受けたなら、その結果を活用して、さらに自己診断を明確にしよう。

 あなたの改善領域を強化する段階では、詳細な作業が必要になる。非常に具体的なプランを練ろう。つまり、あなたが注力すべき領域をすべて洗い出し、成功を測る基準を設けて、自分が改善しているかどうかがわかるようにするのだ。