営利でも非営利でもない
「共益企業」の登場

 新しい時代が訪れている。営利企業は社会問題や環境問題の解決に、非営利組織は持続可能なビジネスモデルの開発に取り組み、そして政府は市場原理に基づいてサービスを提供しようと模索中である。

 このように、従来の境界線が曖昧になるなか、社会目的の達成を原動力とする起業家たちの手によって、これまでとは異なるモデルの企業が台頭しつつある。

 このような起業家がみずからのアイデアを実現するために組織を立ち上げようとする際、多くの場合、当の起業家の考え方次第に思えるが、後々深刻な影響をもたらしかねない問題に直面する。すなわち、営利か非営利かという問題である。