
グラフ作成への衝動を抑える
「荷物をまとめて。旅行に行くよ」と友達に言われたら、あなたはどうするか。「オッケー、いいね」と答えてスーツケースを取り出し、服を詰め始める、なんてことはしないだろう。できるわけがない。質問したいことがたくさんあるはずだ。「どこに行くの? どれくらい? どうやって行くの? どうして旅行に行くの? どこに泊まるの?」。目的がわかるまで荷造りはできない。
ところが、インフォメーションビジュアライゼーションとなると、すぐさまグラフのタイプを選び、ボタンをクリックして作成したい衝動に駆られる。この衝動を抑え、後の「荷造り」を容易にする質問について考えることから始めるべきだ。
性質と目的に関する2つの問い
視覚的に考える最初のステップが、ビジュアライゼーションの性質と目的に関する2つの問いについて考えることだ。
1. 情報は「概念的」か、それとも「データ主導」か
2. 自分は「宣言」しているのか、それとも「探究」しているのか
この2つの問いに対する答えがわかれば、必要なリソースとツールを考え、最終的に使用するビジュアライゼーションのタイプがわかってくる。
概念的かデータ主導か
1つ目の方が簡単で、たいてい答えは明白だ。概念や定性的な情報を視覚化するのか、それともデータや情報をプロットするのか。ただ注意してほしいのは、この問いは情報そのものについてであり、それを示すために最終的に使用するチャートの形式のことではない。
データ主導のチャートが概念的な形式を取ることもあるし、その逆もある。次のマップは明らかに統計をプロットしたものではないが、表示されているブランドは定量的な価値を表している。
逆に、次の「ハイプサイクル」のチャートは一般的なデータ主導の形式である折れ線グラフを使用しているが、ここにデータの値は存在しない。これは概念だ。
最初の問いが明らかにするのが、あなたが「持っている」ものだとすると、2つ目の問いが引き出すのは、あなたが「している」ことだ。後者は二者択一ではないのでより複雑だ。