
ビジュアライゼーションの4象限
性質と目的についての問いを組み合わせて古典的な4象限マトリックスにすると、ビジュアライゼーションは4つのタイプに分けられる。自分が取り組んでいることの象限がわかれば、使用する形式、必要な時間、必要なスキルを適切に判断できる。
視覚的発見(右下の象限)
この象限は最も複雑で、実は2つのカテゴリーに分かれる。目的を明らかにする問いによって、宣言、検証、探究の3つのタスクに分けられると先述したが、基本的な枠組みをシンプルかつ明確にするために4象限マトリックスには検証を含めていない。
ただ、この象限にフォーカスすると検証も含まれる。それが次のマトリックスだ。
検証は、データ主導のチャートにのみ当てはまることに注目してほしい。仮説はデータがなければ実証も反証もできない。また、確認と探究の区別は緩やかなため、点線で示している。確認は焦点を絞った探究の一種だが、真の探究はよりオープンエンドなものだ。データが大きく複雑になり、理解が困難なほど、作業は探究的になる。確認が新しい道をハイキングすることだとすると、探究は新しい道を切り開くことだ。
視覚的確認:このタイプのプロジェクトでは、あなたは次の2つの問いのいずれかに答えようとしている。
1.「私が真実だと思っていることは、実際に真実なのか」
2.「このアイデアを考察する他の方法は何か」
データの範囲は扱いやすいレベルで、よくあるタイプのチャートが使われるが、新しい見方を試みる時は一般的でないものを使うこともある。確認は通常、フォーマルな場では行われず、プレゼン用に作るチャートを決めるための作業だ。つまり、デザインよりも、データを元に素早く視覚化を繰り返すというプロトタイピングに多くの時間を費やす。
旅行サービスを担当するマネジャーが、会社が購入する航空券の価値を調べたいとしよう。航空券の料金が高いほど快適さが増すと仮定し、視覚的確認に取り組む。エコノミーとビジネスの両方のクラスについて、料金と快適さのデータを収集し、すぐさま散布図を作成した。マネジャーは点が右上に伸びる相関関係が示されると予測していた。
注意してほしいのは、マネジャーが作成したこのチャートは、プロトタイプであることだ。デザインや、軸やタイトルの改良にあまり時間はかけていない。自分の考えが正しいかを確認することの方が、チャートの見た目を改善するより重要だった。