4. 私は結果を管理しているか

 成功するマネジャーは、仕事がいつ、どのようになされているかではなく、結果だけを見る。誰にでも独自の働き方や好みがある。あなたのやり方が、他の人にとっての自然なやり方とは限らない。したがって自分のスタイルを強いることがないよう注意しよう。

 マイクロマネジメントは、従業員の中核的な心理的ニーズである自律性を侵害する。求められる結果の明確なビジョンを示せば、率先して行動するか、さらに指導を求めるべきか従業員が自分で判断できる。あなたが求める結果と、会社としてのビジョンや目標に、きちんとつながりを持たせよう。人は有意義な仕事をしていると感じたいものだ。個人と組織のパーパスを一致させれば、エンゲージメントを押し上げることができる。

5. 私はすべての人に同じ基準を当てはめているか

 善意でも、無意識のバイアスのために、私たちは特定の人をひいきしてしまう。目の前の部下のユニークさを理解して、全メンバーに同じ基準を当てはめることができているか考えよう。男性、女性、非白人に厳しい態度を取っていないか。チームメンバーの能力開発に平等に時間を割いているか。年齢による思い込みはないか。求められる結果を明らかにすることは、無意識のバイアスの回避にもつながる。自分が公平であるという確信がないなら、信頼できる同僚に意見を聞くのもよいだろう。

 もう一つ注意すべきなのは、近接性バイアスだ。これはマネジャーが、物理的に近くにいる人をひいきしがちな傾向のことである。ハイブリッド勤務が行われている職場で、あなたは出社日が多い部下に優先的に仕事を割り振っていないか。近接性バイアスは、女性や家庭で介護をしている人に不利に働くことを覚えておこう。

6. 私は明快で、確かで、親切で、実行可能なフィードバックを与えているか

 仕事に懸念や批判がある時は、フィードバックを遅らせないようにしよう。研究によると、フィードバックは仕事の流れの中で与えるのが最もよいことがわかっている。潜在的な不一致を感じたら、すぐに知らせよう。早期に発見して、問題を悪化させないほうがずっとよい。

 従業員からも、そのタスクの経験についてフィードバックを求めよう。調整や率直な会話は、信頼関係を築き、部下のコミットメントを高める。上司にサポートされていると感じている従業員は、仕事への満足度が最も高い。また、信頼度の高い職場文化がある企業は、そうでない企業と比べてパフォーマンスが2倍高い。あなた自身が、プロジェクトの進捗について、自分の見方を変えるような情報を得られる場合もある。

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 内省には、訓練と時間が必要だ。しかしその努力に見合った報いを得ることができる。従業員と強力な関係を築くマネジャーがいる企業は、忠誠心、信頼感、生産性、そして喜びの水準が高い。本稿に示したような内省的な問いから、期待と現実のギャップを埋めよう。意図的に、共感からパフォーマンスを引き出すことで、真の競争優位性である裁量的な努力を生む。これがお決まりの仕事をこなすだけの職場との違いである。このようなアクションは、マネジャーとリーダーの違いを生むものでもある。


"6 Questions to Ask Yourself When You're Frustrated with Your Team," HBR.org, March 16, 2023.