定例会議に欠席することを事前に伝える

 休暇を取る週は、定例会議の招待に欠席の返事をするだけでなく、運営者にメールを送って欠席する旨を伝える。同時に、休暇に入る前にあなたがやっておくべきことがあるか尋ねよう。こうすれば、あなたの責任感を示せるし、あなたが不在または欠席することを改めて伝えられる。ズームやチームズなどを使ったオンライン会議の場合、休暇後に情報が必要になった時のために、会議を録画しておいてもらおう。対面の会議の場合は、リーダーにメモを共有してもらい、休暇後に対応する必要がある部分をチェックしよう。

不在通知を最大限に活用する

 ほとんどの人は、仕事を完全に切り離したり、誰かに引き受けてもらったり、緊急事態に対応してもらうことができない。自動返信される不在通知に、あなたの代わりに対応する人を明記しておくことは極めて重要だ。その文言を明確に記すことで、あなたがプロフェッショナルであることを印象づけよう。「返信が遅れます」などのソフトなメッセージだと、同僚たちはあなたが対応すると思うだろう。したがって、あなたは●月●日までメールをチェックできないし、連絡もつかないことを、不在通知に明記すべきだ。

 緊急時の連絡先や、重要だが緊急ではない問い合わせに誰が対応するかについて、上司と打ち合わせをしておこう。あなたの不在中に、あなたに代わって問い合わせに対応する担当者の連絡先も記載すること。スラックや、ズームやチームズのチャット機能など、連絡用のツールを使っている場合は、そこにも同じ情報が表示されるようにしよう。

ダメ押しのメールを送る

 休暇の前の週に、上司とチームメンバーと、別の部署のステークホルダーに、休暇に入る日と戻る日を知らせるメールを送ろう。あなたが対応できないこと、そしてメールや電話にも応答しないことをリマインドしよう。この種のリマインダーは、あなたのプロとしての姿勢と、あなたの不在中も仕事は続いているという理解を示すことにもなる。あなたが仕事に戻った時、未処理の問題を減らすことにもなるはずだ。

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 休暇中に明確な境界線を設定し、同僚たちが成功できるよう積極的に手を打っておくと、あなたは尊敬されるだろう。重要なのは、ひとたび境界線を設定したら、それを絶対に維持すること。メールやテキストメッセージを読んではいけない。ひとたび仕事のドアを開けてしまうと、閉めることはほぼ不可能になる。

 スティーブは、これらのコツを実践して、先月1週間の休暇をとり、子どもと充実した時間を過ごした。その間、メールや電話には1度も応答しなかったし、会議にも1度も出席しなかった。

 完全に仕事から離れたおかげで、仕事でも家庭でも、エネルギーとエンゲージメントのレベルが大きく高まった。「とてもリフレッシュして仕事に戻り、何でもやってやるぞという気持ちになれました」と彼は言う。

「家庭での大工仕事でさえもやろうと思えました。何より重要なのは、子どもたちが、私と一緒の時間が楽しくなったと言ってくれたことです。私自身がその時間を本当に楽しめたからです」。おかげで改良版の仕事人間になったと、スティーブは笑った。このメリットは無視できないほど大きい。

 彼の目下の「やることリスト」には、再び仕事からきっぱり離れて夏休みを取ることが書かれている。


"Set These 5 Boundaries Before You Go on Vacation," HBR.org, May 19, 2023.