プレゼンの時間が短くなっても成功させる方法
Juan Moyano/Stocksy
サマリー:プレゼンテーションをする時の不愉快で思いがけない出来事といえば、持ち時間が短縮されることだろう。こうした事態に対処する方法が、即座に適応できるプランBを用意し、実行することだ。本稿では、プレゼンの時間... もっと見るが短縮された場合に備えて、すべてのスピーカーに必要な3つのプランBを紹介する。 閉じる

プレゼンでよく起こる思いがけない出来事

 講演家として30年間、活動してきた筆者は、プレゼンテーションが完全に失敗に終わりそうな思いがけない出来事にかなりの割合で出くわし、対処しなければならなかった。例を挙げよう。

 講演の最中に停電が2回起き、照明やAV機器はもちろん、トイレも使えなくなった。ファシリテーターを務めた2日間のトレーニングセッションの初日の途中で、参加者全員にレイオフの危機を知らせるメールが届いた。ブロンクス動物園のコンゴの展示室の中にあるガラス張りの会議室でプレゼンをした時、スライドを進めるたびにゴリラが窓を叩いた。その時はすぐさまプロジェクターの電源を切り、とにかく進行した。

 人前で話をする時に最もよくある、不愉快で思いがけない出来事といえば、持ち時間が短縮されることだ。与えられた時間をもとに、何を話すかについての計画を立てて会議に臨んだのに、開始から15分後にようやく機器が稼働する。あるいは、意思決定者が遅れ、到着するまで開始を待たなければならない。グループの誰か(おそらく全員)のプレゼンが数分超過し、自分の番を急いで終わらせなければならないこともある。

 これは、参加者と発表者の双方にとってマイナスだ。

 第1に、グループの最初のスピーカーはゆっくり話ができるのに、後のスピーカーはメッセージを省略しなければならない状況になると、参加者からすれば内容が偏ってしまう。第2に、プレゼンが短縮されたり早められたりすると、参加者は質問したり、理解を深めたり、ディスカッションに参加したりする機会を失う可能性がある。また、スピーカーが時間切れになる前にスピーチを終えようと早口でまくしたてると、参加者は内容が理解しにくい。

 プレゼンターにとってもよくない状況だ。時間に対してプレッシャーを感じたり、状況(またはチームメンバー)に対して不満を抱いたりすることは、魅力的なプレゼンのスタイルにはそぐわない。自分が話したいことを優先して、聴衆にとって重要な情報を伝えそびれてしまうかもしれない。また、プレゼンの短縮版を練習していなければ、準備不足で緊張し、支離滅裂に聞こえる可能性もある。

 こうした状況を事前に管理する方法の一つは、全員がタイマーを使って自分の担当セクションのプレゼンを練習し、割り当てられた時間に合うようにプレゼンを短くすることだ。そうすれば、グループで行う場合に必ず生じる「時間に追われる」事態がなくなる。第2のステップは、ホストや議長がミーティングのプログラムを過剰にしないことだ。質問、コメント、余談、そして1つや2つのちょっとした問題も許容できるよう、十分な余裕を持たせるべきである。第3に、ミーティングの運営者は、割り当てられた時間において、質問、コメント、余談にうまく処理できなければならない。

 そして、これらすべてに対処するもう一つの方法は、参加者全員が即座に適応できるプランBを用意することだ。本稿では、時間が短縮された場合に備えて、すべてのスピーカーに必要な3つのプランBを紹介する。