修復

 これは、リーダーシップの力を使って、既存の、あるいは過去の傷を癒し、ウェルビーイングを回復し、ビジネス上の問題ではなく人間的な問題に対処することである。すべての人間関係は、誤解や意見の相違、衝突、失敗によって崩壊する可能性がある。賢明なリーダーは、チームが失敗から学び、それを貴重な教訓に変えることを助ける。

 それを実現するには、弱さをさらけ出すことが効果的である。それによりチームの心理的安全性と率直さが高まる。心を開き、透明性があって正直で、自己批判的になることで、オープンな対話を育み、チームが団結して協働と進歩を追求できる。

 あなたのリーダーシップの才能を評価する最善の方法の一つは、マネジャーやリーダーとして受け取る良い知らせと悪い知らせの割合を調べることだ。もし良い知らせの割合が5分の2より低ければ、おそらく改善の余地がある。

チームの修復のためにリーダーができること

・チーム全員に、最近の苦労や失敗を振り返ってもらう。重要性が際立っているもの、あるいは単にありのままを話せる最近の出来事を1つか2つ特定する。
・次に、自分がしたこと、あるいはしなかったことで、大なり小なり失敗の一因になった可能性があることをそれぞれに考えてもらう。
・耳を傾け、理解し、許し、再び委ねる。

再び集中力を高める

 重要な優先事項について、チームメンバーの足並みを揃えることで、チームが再び集中できるようにする。特にチームが疲弊している時は、「控えめであるほど効率がよい」ことを忘れてはいけない。

 過剰なコミュニケーションは禁物だが、一方で、コミュニケーション不足に陥るのは容易であり、チームの問題の主な原因となる。特に難しい話や対立を避けると、間違いなく将来的に対立を悪化させる。

 毎年(あるいは新年に)、明確な戦略セッションを行い、重要な目標と実行計画について従業員の足並みを揃えるようにする。ハーバード・ビジネス・スクール教授のマイケル・ポーターが指摘したように、戦略とは「何をすべきか」と同様に「何をすべきでないか」を決めることだ。何を、なぜ、どのようにするのかを全員が理解し、心を一つにして魅力的な目的地に向かい、全員の挑戦的な目標達成のために自分の役割を果たすことに注力できるようにする。そうすれば、その旅は楽しいものにもなる。

チームの集中力を再び高めるためにリーダーにできること

チームに次の質問をする。
・さらにうまくできることは何か。
・手放せるものは何か。
・本当に重要だと考える仕事を達成するために、欠かせないものは何か。

 最後に、マネジャーとしてではなく一人の人間としてのあなたについて考えたい。

 飛行機の中で他人を助ける前に、自分が酸素マスクをつけることを指示されるように、まずは自分自身を助けなければならない。チームを活気づけることができるかどうかは、あなた自身が健全で、冷静で、活力があるかにかかっている。

 自分の健康を維持することに代わるものはなく、自分自身を管理することは、他人を管理するための重要な前提条件である。その意味で、リーダーシップの最悪のミスは、自分自身よりもチームを優先することだ。自分を活性化させ、修復し、再び集中力を高めることができて初めて、部下がそれに続くのを助けられるのだから。


"3 Ways to Reenergize Your Team When Morale Is Low," HBR.org, July 14, 2023.