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好奇心をベースに仕事の目的を見出す
プロフェッショナルとして成功するうえで、好奇心は不可欠な要素だ。好奇心のある人は問題を見つけて解決し、新しい挑戦を恐れない。他人の知見を尋ね求め、柔軟に思考を広げる。好奇心のある人はけっして無気力に陥らず、たえず成長とイノベーション、改善を追求する。成功するキャリアを築きたい人は、好奇心を大切にしなければならない。
しかし、好奇心はただ出世のためだけに不可欠なのではない。仕事における目的と意義を生み出すうえでも重要だ。誰しも自分の仕事に意義を感じたいと思っている。そして、すべてのビジネスパーソンが仕事を意義のあるものにするチャンスを持っている。ただし、より深い目的を日々、見出すためには、自分自身と仕事、そして一緒に働く人々に対する好奇心が必要だ。
拙著HBR Guide to Crafting Your Purpose(未訳)では、あらゆる人がプロフェッショナルとして仕事の目的を追求するための4つの基本的な方法を概説している。すなわち、仕事に工夫を加える、仕事を職人技にする、仕事をサービスに結びつける、ポジティブな関係に力をそそぐことである。
この4つのシンプルな方法を実践すれば、どのような仕事でも、さらに意義のあるものにすることができる。ただし、好奇心を大切にしながら、意義を掘り起こすことが必要だ。
仕事に工夫を加える
仕事から得る意義を高める最もよい方法の一つは、ジョブクラフティングである。小さな変更を加えることによって、現在の仕事をやりたい仕事に変えるというテクニックだ。小さな変更によって、仕事をあなた独自の情熱、パーソナリティ、興味に合うものへと変え、あなたと他の人々にとっての意義も最大限に高めるのである。
筆者が最も気に入っているのは、ダラスのバス運転手カーティス・ジェンキンスの例だ。彼は小学校のスクールバス運転手という仕事に大いに工夫を加えて、「黄色いバスのユートピア」と呼ばれる楽しい場をつくり出し、多くの子どもたちの生活を変えた。
好奇心は、ジョブクラフティングに欠かせない前提条件である。それはまず、自己評価から始まる。あなたが本当に得意なことは何か、何をするのが好きか、仕事においてどのような時に幸福を感じるか自問してみよう。心を開いて深く探求することで得られる徹底的な自己理解が、ジョブクラフティングの土台になる。
次に、この自己認識を仕事に適用してみよう。
・仕事のどの要素を微調整すれば、あなたにとっての意義が高まり、他の人々にさらに大きな影響を及ぼすことができるか。
・現在の仕事を違う形で進めることはできるか。
・現在のあなたの仕事の構成は、組織と組織が貢献したい人々にとって、最善の方法で、最も重要な問題を解決しているか。
実践を始めるに当たって、仕事を通して貢献したい主な人々のリストをつくり、次に、実際役立つことができた仕事の成果をリストアップしよう。それから、現在の仕事を振り返って、別のやり方でいま以上に貢献できるかどうかを考える。リストに挙げた人々にさらに貢献できて、あなた自身もより有意義に感じられる形で、仕事を微調整する方法が見つかるかもしれない。