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悲観的な振る舞いがチームに与える影響
会議であらゆるアイデアを否定したり、新しい戦術や戦略のリスクをすぐ挙げたりする人がいた経験はないだろうか。そうした人は、提案された取り組みは失敗する運命にあるとか、「以前それを試したが、うまくいかなかった」などと主張する。
あるいは、あなたがそのような人かもしれない。同僚から「デビー・ダウナー」(否定的で悲観的な人。米国の長寿番組のキャラクター名に由来)と見られているのではないかと、沈んだ気持ちになっていないだろうか。悲観主義、つまり物事の最悪な面を見たり、最悪なことが起こると考えたりする傾向は非常に一般的で、私たちの多くは、特にストレスを感じたり圧倒されたりすると、こうした考え方に陥る。ネガティブバイアスが忍び寄り、ついマイナス面やリスクに目が向いてしまうのだ。
もしあなたが、チームに対して悲観主義者のように振る舞っているのではないかと考えている、あるいはグループの中で自分がその役割をよく演じていると気づいているなら、どうすればよいだろう。物事に対するあなたの見方が、他の人より悲観的な傾向があったとしても、チームの足を引っ張ったり、同僚との関係を悪化させたりしないようにするにはどうしたらよいのか。
チームに対して悲観的なあなたがすべきこと
自分の「モチベーションの焦点」を理解する
楽観主義は一般的にポジティブな性質と見なされているが、その度が過ぎると危険だ。チーム内で有害なポジティブさが生まれることはよくある。たとえ本人がそう感じていなくても、あるいは実際の状況を無視してでも、陽気な気持ちになったり、明るく振る舞ったりすることを強いられる。
自分の悲観的な傾向を理解する方法の一つは、「モチベーションの焦点」について考えることだ。このモデルでは、「予防焦点型」の人は安全性を気にしており、タスクを克服すべき障害と見なすことが多い。「促進焦点型」の人は、将来について前向きに考える傾向があり、他者が克服できない課題を機会と見なす。
どちらのタイプが良い悪いということはないが、チームや組織への作用の仕方が異なる。社会心理学者のハイディ・グラントとE. トーリー・ヒギンズは、論考の中で次のように解説している。「(予防焦点型の人は)リスクを避けがちだが、仕事はより徹底していて正確で、注意深く検討される。成功するために、彼らはじっくりと細心の注意を払って仕事をする。彼らは通常、最もクリエイティブな思考の持ち主ではないが、優れた分析能力と問題解決能力を持つ可能性がある。促進志向の人は、良いアイデアも悪いアイデアも多く生み出すが、その違いを見分けるには予防志向の人が必要なことが多い」
これは、あなたの悲観主義をより中立的に説明しており、肯定的しているといえる。悲観主義には明らかにプラス面もある。それでも、あなたの態度がチームにとって有益だと全員が考えるとは限らず、あなたが頻繁にグループの雰囲気を悪くしないようにするための措置を講じることは有益である。
深く掘り下げる
予防焦点型である以外に、何があなたのネガティブな考え方を駆り立てているのかを理解することも役に立つ。職場や私生活で起きていることが原因で、燃え尽き症候群(バーンアウト)に陥っていたり、不安を感じたりしているだろうか。有害な職場環境や長引く不況など、外的な状況が考え方に影響しているだろうか。周囲の人々のネガティブな態度を吸収しているのではないか。あるいは、自分の声が周囲に届いておらず、権力を得るために否定的なコメントをしなければならないと感じているのではないか。
興味深いことに、バージニア大学准教授のアイリーン・チョウの研究によれば、悲観主義者は自分のネガティブさをコントロールする感覚を見出している。否定的な人は、責任を回避しているのではなく(物事がうまくいかないと主張すればさらなるプロジェクトを引き受ける必要がないため、彼らは責任を回避しているとしばしば非難される)、グループの意見に反対することで自律性を主張しているのかもしれない。また、彼らが権威的であると考える人もいる。
筆者の著書ためのインタビューでチョウが説明してくれたように、「私たちは、ほとんどの人は否定的な人を敬遠したり、足手まといだから排除したりすると思っている。しかし、実際はまったく逆だ。地位の高い人は、往々にして否定的な発言や反論をする人たちだ」。言い換えれば、あなたは権力を感じるためにネガティブさを利用し、あなたの懐疑的な態度は、他者から見れば権威的であると感じられやすい。
上記の質問に正直に答えなければならない。あなたの悲観主義が、自分でコントロールできる要因の産物なら、その問題に対処するための手段を講じる。たとえば、仕事量を減らすようマネジャーに相談するとか、好きな人、特に気持ちを高めてくれる人と時間を過ごすのもよい。