-
Xでシェア
-
Facebookでシェア
-
LINEでシェア
-
LinkedInでシェア
-
記事をクリップ
-
記事を印刷
採用プロセスで失礼な態度を取られていないか
筆者はキャリアの初期に、ある世界的大手美容ブランドからマーケティング職の面接を打診する電話をもらい、興奮した。オンラインで応募していたのだが、その連絡から48時間以内にオフィスに来て面接を受けるよう、採用担当者から強く要求されたことを覚えている。当時勤めていた会社には病欠の電話を入れ、志望する会社のオフィスを訪ね、11人の担当者と会って11回の異なる面接を受けた。
面接のスケジュールは連続していた。昼食のための休憩も与えられず、社員たちと立て続けに会う中で、コーヒーやお茶はおろか、水一杯も出されなかった。トイレを使ってよいか尋ねると、面接担当者の一人は面倒そうに、社員証を機械に通してホールの反対側まで筆者を案内した。
最後に自分の上司となる人物と会う段になると、彼は15分遅れて現れた(ほかの面接でも同じことが4回あり、謝罪はなかった)。彼は関心がなさそうに携帯電話をスクロールするか、質問に答えようとする筆者をさえぎって話すかのどちらかを繰り返した。
翌日にマーケティング職の内定の連絡をもらった時、午後5時までに意思決定を伝えなければ内定は失効になると採用担当者から言われた。内定を逃すことを恐れた筆者は、折り返し承諾の電話をした──交渉も、一つの質問もせずに。
筆者は面接プロセスの前にも最中にも、あらゆる危険信号を無視した。同社で働くうちに、さらに多くの危険信号を見つけることになる。結局、この会社は筆者がキャリアを通じて経験した最も有害な職場の一つとなった。
職場を有害にする要因は何か
フレックスジョブズが米国労働者2600人を対象に先頃実施したアンケート調査では、回答者の42%は退職を真剣に検討中であり、20%は最近退職したと答えた。退職を望む理由として、有害な職場文化は3番目に多く挙げられた。
また、米国心理学会による2023年の「ワーク・イン・アメリカ」の労働力調査では、就業者の22%は職場環境が「自分のメンタルヘルスに悪影響を及ぼしたことがある」と答えた。職場での虐待による反復的なストレスは、心臓疾患やがんなど身体的な健康問題にもつながりうることが研究で判明している。
有害な職場で働いていれば、兆候に気づくのは比較的容易かもしれない。怒鳴り、いじめ、多くの陰口、持続不可能な仕事量などは、一般的な特徴のごく一部だ。最近の調査では研究者がグラスドアの130万件のレビューに目を通し、有害な企業文化の5つの特徴を特定した。無礼、非包摂的、非倫理的、過酷な競争、虐待的である。




