
-
Xでシェア
-
Facebookでシェア
-
LINEでシェア
-
LinkedInでシェア
-
記事をクリップ
-
記事を印刷
マネジャーが抱える葛藤「対面で働く時間はどの程度が適切か」
従業員をオフィスに復帰させたい自身の願望と、柔軟性を求める従業員の揺るぎない願望を両立させる方針を策定するには、どうすればよいのか。あらゆる業界のリーダーは、長年にわたる努力とたび重なるソートリーダーシップの取り組み(なかには有用性が疑わしいものもあるが)にもかかわらず、その方法をなかなか見つけられずにいる。
また、それらの制度や方針をうまく機能させ、かつてないほど不確実性とバーンアウトが蔓延する時代にチームの意欲を維持することにも、マネジャーは苦労している。
完全なリモートワークがつながりと能力開発の機会の喪失を招く可能性を、私たちは目の当たりにしてきた。観察学習、つまり他者の仕事を見て学ぶ必要がある従業員に関しては特にである。しかし、人々はワークライフバランスと個人の生産性が向上するみずからの体験を踏まえ、少なくとも一部の時間は在宅で働くことをいまだに望んでいる。
では、対面で働く時間はどの程度が適切なのか。企業の方針策定者やチームリーダーは、どうすれば両方の利点を活かせるのだろうか。
筆者らはアーンスト・アンド・ヤング(EY米国)でこの数年にわたり、激しい変動期にいる社員を対象に包括的な調査を実施してきた。これにより、ハイブリッドワークをめぐる疑問に対し、社員から寄せられた体験報告に基づくデータドリブンなアプローチを取ることができた。
ハイブリッド、完全対面、完全リモートの社員らのパフォーマンスとウェルビーイングを比較した筆者らのデータからは、他社にとっても役立ちうる(しばしば意外な)知見が得られた。加えて、ハイブリッドに伴う課題を乗り越えるうえでチームとマネジャーが果たす重要な役割についても、多くの学びがあった。
調査結果
筆者らはEY米国の全サービス分野、全組織階層のフルタイム社員を対象に、エンゲージメント、ウェルビーイング、学習と昇進の機会の認識などを含む、労働体験の重要な側面に関して報告を求めた。2万7000件を超える回答が寄せられ、それらを回答者の勤務形態の違い、つまり対面、リモート、ハイブリッドに照らし合わせることができた。