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同僚からのアドバイスに振り回されない方法
「私のおでこに『提案箱』と書いてあるように見えるのでしょうか」
デーナ(仮名)は、筆者とのコーチングセッションで不満そうにこう述べた。同僚のイーサン(仮名)がまたしても、新規事業開発の取り組みについて、頼んでもいないアドバイスをしてきたのだ。
デーナが提案を説明し終えたとたんに、イーサンが待っていましたとばかりに口を挟んできた。「メールを活用したマーケティングキャンペーンは検討したのか」「この件では、絶対にセールス部門と組むべきだ」というのだ。
こうした経験を繰り返すうちに、デーナは、イーサンの善意による熱心なアドバイスにいら立ちを感じ始めて、自分のアイデアをイーサンに話すことを躊躇するようになっていた。頼んでもいないのに誰かからアドバイスをされると、応援されていると心強く感じるのではなく、自信が揺らいでくることが多かったのだ。
もしあなたがデーナのような経験をしたことがあれば、よくわかっているだろう。たとえ善意に基づくものだとしても、頼んでもいないアドバイスをされると、余計なお世話に感じられたり、自信が損なわれたように思えたりすることがある。
たとえば、あなたが会議で何らかのデータを示すと、同僚が口を挟み、そのデータについてあなたとは異なる解釈を披露してきたことはないだろうか。そうすると、あなたは大勢の幹部たちの前で恥をかかされたような形になる。
あるいは、マネジャーとの1on1で、あなたがいま苦戦中の問題について語ったとする。少し同情の気持ちを示してもらえれば十分だと思っていたのに、マネジャーがその会話を即興のカウンセリングセッションに変えてしまい、あなたが試すべき戦略を指示することがあるかもしれない(しかもその助言の根拠は、マネジャー本人の経験だけだ)。
あなたが自分のプランをすべて説明し終える前に、誰かに問題点を指摘される。あなたの専門分野に関して、専門家でもない誰かが助言してくる。どのような意見を求めているかをはっきり伝えたはずなのに、頼んでいない提案をされたり、唐突にアドバイスをされたりする。こうしたことがあると、自分のスキルや能力を軽く見られているように思えてくるものだ。しかし、おそらく、そのような行動を取る同僚や上司は、あなたを批判しようとは思っていない。新しい視点を提供したいと思っているだけの可能性が高い。