過度に批判的な上司の下で働く時の5つのコツ
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サマリー:批判的な上司の下では、常に監視されているように感じ、職場にもネガティブな雰囲気が充満する。特に「繊細な努力家」は消耗しやすく、自己評価が低くなりがちだ。批判的な上司は、自身の不安や過去の経験が原因で過... もっと見る度にコントロールを求めることが多い。重要なのは、上司の動機を探るのではなく、自分のストレスを減らし、状況をうまく乗り切る方法を見つけることである。先手を打って上司とのやり取りをコントロールし、感情面のダメージを緩和する対策を講じることが有益である。 閉じる

先手を打って上司とのやり取りをコントロールする

 ことさらに批判が多い上司の下で働いていると、常に顕微鏡で観察されているような気分になってもおかしくない。ごく小さな仕事も含めて、自分が行うあらゆる業務が逐一精査されているように思えてくる。会議は詰問の場に感じられる。何しろ、日々、うまくいっている点より、うまくいっていない点ばかり指摘されるのだ。

 マネジャーの中には、気分屋だったり、述べていることが不明確だったり、唐突に方針を変更したりするせいで、部下にとって対処が難しい人たちもいる。それに対し、批判ばかりするマネジャーが部下にとって厄介な点は、たえず職場にネガティブな雰囲気を充満させてしまうことだ。

 そのような上司の下で働く人は、いつもびくびくして行動するようになりかねない。ミスを犯すことを恐れて、自分の言動や決定がまずくなかったかと気を揉み続けるのだ。

 物事を深く考えたり、深く感じたりするタイプの人は、自分の仕事に多大な感情的エネルギーをそそぎ込む(筆者は、このような人たちのことを「繊細な努力家」と呼んでいる)。このタイプの人たちは、あまりに批判が多い上司の下で働くと、ことのほか消耗する。往々にして、上司のネガティブなフィードバックを内面化し、自分が能力不足だと思い込んでしまう。

 しかし、そうした自己評価は現実とかけ離れている。たいてい、批判的な性格の持ち主は、自分自身の不安や過去のつらい経験が原因で、過度に強い警戒心を持っていたり、あらゆることをコントロールしたいと思ったりしているにすぎないのだ。

 こうしたことを頭に入れておくと、役に立つ。ただし、上司の批判的な言葉の背後にある動機を探り続けようとすれば、きりがない。そうした行動は生産的とは言えない。それよりも、このタイプのマネジャーの下でも、自分の人生のストレスを減らし、状況をうまく乗り切る方法を見出すことに関心を払うほうが有意義である。

 過度に批判的な上司に対応するといっても、自分自身の意見を放棄したり、上司の指示に機械的に従ったりしろと言うわけではない。ここで取るべき行動は、先手を打って上司とのやり取りを主体的にコントロールし、上司の言動が自分に及ぼす感情面のダメージを緩和するために対策を講じることだ。

上司のフィードバックを自分へのエンゲージメントの証と見なす

 上司があなたにフィードバックしているということは、その上司があなたの仕事ぶりに関心を払っていることを意味する。あなたの業務や成績に興味がないわけではないのだ。その関心の示し方が、あなたにとって不愉快なだけである。そこで、上司から批判的なことを言われた時、上司が自分の仕事ぶりに関心を持ってくれている証拠だと考えれば、上司のコメントから有益な学びを引き出しやすくなる。