上司の上司とのミーティングを成功させる方法
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サマリー:上司の上司とのミーティングには多大なメリットがある。それは、広い視野を得て戦略的提案ができるようになったり、ソーシャルキャピタルを築くことができたり、みずからの成果をアピールし、必要なリソースを獲得し... もっと見るて成長につなげたりするというものだ。本稿は、上司の上司とのミーティングを成功させる手法について解説する。 閉じる

上司の上司とのミーディングで得られる多くのメリット

 あなたは、自分の上司の上司のことをどの程度知っているだろうか。直属の上司がいない所で、どれくらい一緒に過ごしたことがあるだろう。もしあなたが筆者の仕事相手の多くのプロフェッショナルと同じなら、この2つの質問の答えはおそらく「ほとんどない」だと思う。

 それでも、上司とよい関係を構築する方法は、直属の上司に働きかけるだけに留まらない。「グランドマネジャー」や「ビッグボス」など、指揮系統のさらに上のリーダーと関係を築くことも必要だ。

 役職の高い人とのつながりを築く最も効果的な方法の一つが、スキップレベルミーティングである。これは、簡単に言うと、あなたの上司の上司との一対一のミーティングで、ふだんあまり接したり交流したりすることのない上層部の人と直接コミュニケーションを取る機会になっている。

 これは若手社員のためだけのものと思うかもしれないが、出世するほど、またキャリアアップするほど役に立つ。責任の範囲や自分の行動が及ぼす影響が大きくなるにつれ、スキップレベルの機会があると自分の役割を効果的に果たせるだけでなく、認識が一致し、情報が得られ、注目されるようになる。なぜなら、以下のことが可能になるからだ。

・より広い視野を得る。上司の上司と直接交流することで、会社の幅広い戦略的方向性と一致し、上層部が評価するプロジェクトやイニシアティブを提案することができる。

・ソーシャルキャピタルを築く。上司の上司と良好な関係を築くと、信頼関係の基礎が築かれる。それは変化や移行の時期、不確実な時期に非常に貴重なものとなる。

・アドボカシーを強化する。スキップレベルミーティングは、成果をアピールし、チームが必要とするリソースを要求し、自分のさらなる成長につながる場となる。

 本稿では、あなたと組織全体の利益のために、スキップレベルミーティングを設定して実施し、活用する方法を解説する。

職場の文化を考慮する

 筆者がコーチを務めるプロフェッショナルの多くにとって、スキップレベルのマネジャーと直接対話することは、ただでさえ気後れするものだ。自己不信になり、シニアリーダーの時間を無駄にしたり、「頑張りすぎ」と思われたりしないかと心配になる。こうした懸念も当然だ。上司の上司との関係を築くには、微妙なバランスが必要になる。踏み込み過ぎれば、直属の上司を無視していると見なされるかもしれない。

 したがって、慎重に行動することが求められる。スキップレベルミーティングを計画する前に、職場の文化や、その要求がどのように受け止められるかを考える。歓迎されるのか、それとも脅威と見なされるのか。オープンなコミュニケーションを奨励する企業もあれば、より階層的な構造を持つ企業もある。上司との過去のやり取りやフィードバックを振り返る必要がある。上司は以前に、あなたにイニシアティブを取るよう促したか、それとも慎重なアプローチを勧めただろうか。これは、上司があなたの要求をどうとらえるかのヒントになる。

上司を巻き込む

 話を進めるなら、透明性が重要だ。直属の上司と率直に話ができるプライベートな時間を設け、スキップレベルミーティングがあなたやチーム全体にとって有益だと考える理由を説明する。情報に基づいた意思決定ができることや、堂々巡りの議論が減ること、貴重な時間とリソースを浪費するような「土壇場での不意打ち」を回避できることなどを伝える。

 あなたの意図は、上司をおとしめたり無視したりすることではなく、自分自身の理解を深め、組織との連携を強化することだと強調する。上司は、あなたの要望の背後にある動機を理解し、評価するはずだ。

 上司に「時間を最大限に活用するにはどうしたらよいでしょうか」「取り上げるとよい具体的なトピックはありますか」などと質問すると、上司の専門性を尊重し、この要望を上司との共同の取り組みとして位置づけていることを示せる。上司が難色を示したり、適切な時を待つよう提案したりしたら、それに従う。職場の政治について、あなたの知らないことがあるのかもしれない。