目的を明確にする

 エグゼクティブは多忙であり、準備不足で臨んで上司の上司の時間を無下にすることは最も避けたい。事前に目的をはっきりさせておかなければならない。

 期待されていることを明確にしたいなら、現在の自分の理解を列挙して、肯定や訂正を求める。ガイダンスを求めているなら、自分が直面している具体的な課題や機会、実行しようとしている解決策を概説し、過去に同じような状況にどう対処したかを尋ねる。情報を提供したいなら、明確で簡潔な概要を示し、インパクトと結果に焦点を当てながら、エグゼクティブが興味を持ちそうなデータにする。

強く訴える質問を用意する

 ミーティングから得たいものが何であれ、あなたが主にすべきなのは話を聞くことだ。70対30の法則に従い、あなたが話すのはミーティング時間の30%にし、70%は上司の上司が話すようにする。話をより多く聞くことで、相手の経験や知見を生かし、明白でないニュアンスもとらえやすくなる。

 さらに、簡潔で目的を持ったコミュニケーションが求められる。戦略的思考を示し、明確さを引き出す適切な質問をすることに時間を費やす。例を挙げよう。

・私たちのチームが取り組むべき最も重要な課題は何だとお考えですか。

・会社の長期的な戦略を踏まえて、私たちのチームの役割はどのように進化していくと予想されますか。

・チームと組織全体をよりサポートするために、私は自分の役割においてどのように成長することができるとお考えですか。

・私たちが注目すべき、あるいは学ぶべき市場のトレンドや変化は何でしょうか。

・会社の5年後、10年後を考えた時に、達成しておくべき重要なマイルストーンは何だと思いますか。

・この業界が直面している課題を踏まえて、あなたが楽観的でいられるのはなぜですか。

関係を築く

 誰とでもそうだが、特に上司の上司と本物の有意義な関係を築くには、尊敬、誠実さ、主体性を一貫して示すことが必要だ。ちょっとした感謝も大きな効果を生むため、ミーティングの後には必ずフォローアップのメールを送り、時間を割いてくれた上司の上司に感謝を伝える。また、ミーティングで得たことをまとめたり、指導を踏まえた行動計画を共有したりするのもよい。

 責任を果たすことが重要になる。特定の事項や質問についてあらためて連絡すると伝えたなら、約束を守り、信頼できることを示す。また、四半期ごとのミーティングを依頼し、できるだけ早く予定を決めることも検討する。

 上司の上司など、高い役職にある人との関係構築に時間と労力をそそぐには、戦略、謙虚さ、努力が必要だ。

 結局のところ、リーダーシップとは部下を管理するだけでなく、高いレベルの複雑な問題を解決することでもある。


"How to Have a Successful Meeting with Your Boss's Boss," HBR.org, September 19, 2023.