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セールスプレゼンにおける典型的な失敗
セールスの仕事をしている人にとって、最も重要なビジネススキルは有効なコミュニケーションを実践する能力だ。プレゼンをする時は、その重要性がことのほか大きい。この点は、対面でのプレゼンにも、電話やビデオ会議システムを利用して行うプレゼンにも当てはまる。自分の言いたいことを単刀直入に相手に伝え、すぐに聞き手の心をつかみ、強力な売り込みができるかどうかは、商談をまとめられるか否かを左右する要素といえるかもしれない。
質の高いプレゼンを行うスキルを身につけるためには、ある程度の試行錯誤が不可欠だ。ほとんどの人はさらに上手にプレゼンができるようになりたいと思っているが、それを目指す際にどこから手をつけてよいのか見当がつかずにいる。最大の問題は、自分自身で欠点だと気づいていない点を改善できる人はいない、ということだ。
筆者と共同研究者たちは、複数年かけて3段階から成る研究を行い、5000人近くのセールスプロフェッショナルたちの行動パターンを調べた。この研究では、新人とベテランの両方のセールスプロフェッショナルを対象にした。いずれも、説得力のあるプレゼンを行う能力を持てるかどうかに自身の生活がかかっている人たちである。
調査対象者たちの自己申告によると、この人たちはセールスのプレゼンで12種類の典型的な失敗を犯していた。プレゼンの成果を改善したいと考える人は、この12種類のうちの上位3つの失敗から学ぶとよいだろう。それを通じて、この種の落とし穴にはまることを避けられるかもしれない。
典型的な失敗その1:過度に情報を盛り込む
セールスの相手がこちらの話に興味を示しているように見えて、時には情報量の多いプレゼンだったとほめてくれたのに、実際に商談がまとまることがほとんどない──そのような思いを抱いている人はいないだろうか。実は、そうした人は珍しくない。もしあなたがその一人だとすれば、このタイプの失敗を犯している可能性が高い。
このような行動は「データダンピング」と呼ばれることもあり、筆者らの調査対象者たちがとりわけよく挙げた失敗のパターンの一つだった。過剰な量の情報を話に盛り込んでしまい、たいていは適切な文脈や十分な説明も示さない。たとえば、以下のようなことを述べる。
・我が社は100年以上の歴史がある会社です。