
-
Xでシェア
-
Facebookでシェア
-
LINEでシェア
-
LinkedInでシェア
-
記事をクリップ
-
記事を印刷
新しいリーダー職への移行期間中に何をしておくべきか
リサはCクラスの経営幹部に就任してから「最初の90日間」を終えるに当たり、私に助言を求めた。彼女は自信を持ってスタートを切り、自分の経験を共有し、新しい組織への希望を示し、早期に成果を出すために懸命に取り組んだ。しかし、ほどなくして問題が次々と表面化し始めた。投資家は戦略の方向性に困惑し、従業員は実現しない約束に落胆して、顧客は自分たちが受けたサービスに感動しなかった。
違うやり方ができたのではないかと、私たちは状況を振り返った。そして、リサがステークホルダーによい印象を与えたいという思いから、いくつかの判断を急ぎ、組織の仕組みを学ぶための十分な時間を取っていなかったことがわかった。また、守旧派の権益を脅かすような新しい取り組みを拒まれ、一部の部門の業績不振を見過ごしていた。
さらに、彼女の新しいリーダー職への移行期間中に、次の挑戦に備えてどのようなことをしたかも検証した。一見したところ、特別なことは何もしていなかった。しかし、実は本人も気づかないまま、惰性で過ごしていたのだ。十分に休息を取り、エネルギーを補充し、新しい役割における成功とはどのようなものかをじっくり考えるのではなく、自分の知識や、過去の経験をなぞっていた。
リサはこうしたアプローチを、自分の能力に対する過信と、これから起こることへの不安が交錯した結果だと説明した。彼女は4つの落とし穴に陥っていた。私が過去25年にわり、Cクラスの経営幹部と仕事をする中で観察してきたこれらの落とし穴は、真の力を発揮しなければならないその時に、重要なことから注意を逸らし、意思決定を損なう。
そこで、注意すべき点と、代わりに取るべき行動を見ていこう。
未練の落とし穴
あまりにも見慣れた光景だ。あなたは退職日が決まり、引き継ぎを始める。結局のところ、退職の通知期間(または交渉期間)の終わりが近づくにつれて、貢献度が徐々に下がるのはよくあることだ。
あなたは称賛に浸りながら、自分の成功や昔の素晴らしい日々を懐かしむ。同僚は機会を見つけてあなたに助言を求め、あなたは義務感と必要とされたい気持ちから、喜んで助言する。
同じ理由で、自分が主導してきた重要なプロジェクトや意思決定を手放すのが難しい。自分の頭脳と努力を注ぎ込んできた成果であり、チームは次のレベルを目指す準備がまだ十分でないと感じている。自分の後任探しに多くの時間を費やし、職務内容の作成や候補者の面接まで携わる。