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優秀な人材へのフィードバックを怠っていないか
あなたはフィードバックをするのが怖くないだろうか。実は、多くの人がそう思っている。フィードバックの話をするとなると、不安に陥る人さえいる。
管理職になったばかりの人にとって、フィードバックはやるべきことリストの中の面倒な項目、つまり、やらなければならないが必ずしも楽しくないことのように感じられるかもしれない。特に厳しい内容であれば、部下が自分のフィードバックに対してどのような反応を示すだろうかと心配になる。部下が本当にあなたの言葉を重視しているか、それを実践するつもりなのかと思うこともあるかもしれない。
もしあなたがこうした考えを持っているなら、現実を知ってほしい。部下は重視している。とりわけ、ハイパフォーマーはそうだ。
クルーシャル・ラーニングの研究論文「The Value of Stress Free Productivity」(ストレスのない生産性の価値)によると、ハイパフォーマーはチームのヒーローで、多くの場合、アウトプットの60%以上を生み出している。研究によると、こうしたスーパースターは同業者よりも生産性が400%高く、ハイパフォーマーの近くにいるだけで他の従業員の生産性が15%向上する可能性がある。
つまり、ハイパフォーマーはチームの成功に欠かせない存在であり、彼らをつなぎ留める努力をすべきだ。そのためには、彼らが学び、成長するための価値あるフィードバックを提供することが重要である。このグループはフィードバックによって高いモチベーションを得ることがデータで示されている。また、現在の職務で質の高い指導を受けられないと、他の機会を探す可能性も高い。
それにもかかわらず、ハイパフォーマーは常に同僚よりも質の低いフィードバックを受け取っており、なかでもハイパフォーマーの女性の状況は最悪だ。マネジャーは、ローパフォーマーのアウトプットを改善することに労力の大半を費やしがちで、問題は、その結果としてマネジャーが他のチームメンバーに対して無干渉になることである。ハイパフォーマーの大きな貢献度を考えれば、フィードバックにそそぐ力のバランスを取り、優秀な人材のニーズを見落とさないようにしなければならない。
本稿では、フィードバックのアプローチを公正なものにし、優秀な人材のエンゲージメントを維持するための5つの行動を、フィードバックの方法の具体例とともに解説する。
建設的なフィードバックをためらわない
スター社員に関しては、批判的なフィードバックを省きがちだ。ToDoリストに多くの項目があると、「よくやってくれていますね」とだけ言って、成長できる点を考えもせずに、次に進みたくなるかもしれない。また、否定的なことを言えば彼らのやる気を削ぐのではないかと懸念することもあるかもしれないが、どちらも間違いだ。