LIGの5つの効果

 2007年10月、私はニューヨーク州クロトンビルにあるゼネラル・エレクトリック(GE)の、かの有名なジョン F. ウェルチ・リーダーシップ開発研究所で、4日間にわたる「リーダーシップ・イノベーション・アンド・グロース(LIG)・プログラム」に参加した。51年に及ぶ同研修所の歴史において、事業部門のシニア・マネジャー全員が参加するというのはこのLIGが初めてである。

 2006年にスタートしたこのプログラムには、特別の目的があった。すなわち、買収に頼ることなく既存事業を拡充し、新規事業を開発することで、GEをさらに成長に導くというCEOのジェフリー R. イメルトが掲げる最優先課題を後押しすることである。

 私はHBRのシニア・エディターとして、GEのなかでも最も歴史が長く、その起源はトーマス・エジソンの時代にさかのぼるGEパワー・ジェネレーション(現GEエナジー)のシニア・マネジャー19人と一緒に、LIGに参加することになった。そしてその1年後、私はこのプログラムの効果を検証するために、イメルトが親しみを込めて「タービン・ヘッド」と呼ぶ、この事業部を訪れた。

 LIGは大きな成果を生んでいた。新興市場への参入は加速し、製品開発を活性化させる数々のイニシアティブが立ち上がり、新規事業を創造する取り組みが強化されていた。また、さらなる事業成長に向けて、シニア・マネジャーたちはみずからの役割と行動を変えることに努力していた。

 これらの改革を後押しするうえで、LIGがなぜ効果的なのか、その理由は大きく5つある。

・チーム研修を通じて、変革を妨げているものは何か、またこれをどのように克服するのかについて合意が得られ、変革が加速される。

・参加者たちは、組織構造、ケイパビリティ、資源などの「ハード」、そして各ビジネス・リーダーが個人として、またチームとして、どのように行動し、時間を使っているのかという「ソフト」の両面から、変革を妨げている障害について考えるようになる。