上司の重要課題やニーズを見抜く7つの質問
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サマリー:上司の優先順位を理解することが、現在のポジションで成功し、昇進につながる業務に集中するカギとなる。そのためには、上司の課題や本質的なニーズを引き出す質問が重要だ。本稿では、上司の考えを深く理解するため... もっと見るの7つの質問を紹介する。 閉じる

上司の頭の中を理解すれば、昇進も見えてくる

 あなたが現在のポジションで成功するためには、上司の優先順位に合わせる必要があることは、おそらくあなたも知っているだろう。理想の世界では、リーダーは自分の期待を明快に示し、積極的に自分の考えを伝える。でも、現実には、たいていの上司が言うことは、イライラするほど漠然としている。こちらが問い質しても、とりとめのない説明を始めるだけで、かえって混乱を招く。「いまのまま続けてくれればよい」と言うだけだったり、ぞんざいな対応で、そそくさと次の約束に行ってしまう、などということもあるかもしれない。

 あなたの上司は、わざと意地悪をしようとしているのではないだろう。多くのマネジャーは、自分自身も上司から不明確な指示を受けている。ビジョンを明確にする方法や、大きな目標を日々の仕事に落とし込む方法を学んだことがないマネジャーもいる。自分の仕事に手一杯で、チームに求めることを戦略的に考える時間がないマネジャーもいる。 

 上司の頭の中がどうなっているかを理解するのは、感情労働の負荷が高まるように感じられるかもしれない。だが、それがわかると、仕事への満足度を自分で管理できるようになる。上司のニーズがわかれば、昇進につながる業務を優先したり、上層部の戦略的パートナーとして自分を位置づけたりもできる。 

 こうしたインサイトを得るためには、上司への質問を工夫する必要がある。上司自身の課題や深いところのニーズを打ち明けさせる質問だ。本稿では、そのうち7つの質問を紹介しよう。

1. 上層部とどのような目標を話し合っていますか

 この質問は、あなたのマネジャーの成績やボーナス、昇進に影響を与える物事を明らかにしてくれる。彼らは最初にどのような指標に言及するだろう。あなたが通常フォローしているものとは異なる指標だろうか。唐突に何かの計算に言及したり、具体的な数字を熱っぽく語り始めたりしないか、注意しよう。こうしたインサイトに基づき、上層部にとって重要な形であなた自身の仕事を提示すれば、あなたのチームはリソースや評価を得やすくなるだろう。

2. 私たちのチームやプロジェクトについて考えると、眠れなくなることがありますか

 おおまかな課題を聞くと、ありきたりな返事が戻ってきがちだが、この質問なら、より率直な答えを引き出せることが多い。上司との間に信頼を築き、上司の問題解決を助けるチャンスを明らかにする形で、上司の不安をあぶりだすのだ。そうすれば、早い段階でリスクに気づいたり、プロセスの改善を提案したり、ストレスになる領域での作業を減らしたりすることで、あなたは上司の不安を軽減する信頼すべきアドバイザーになれるかもしれない。

3. 3カ月後に振り返った時、「あれが大きな分岐点になった」と思いそうな措置や変更は何ですか

 時間枠がカギになる。3カ月という期間は、有意義なことを成し遂げるには十分な長さだが、具体的な変化を実感するには十分でない。もし上司が「我々の戦略を磨く」といった曖昧な返答をしてきたら、「いま、四半期末に私たちのロードマップに最大のインパクトをもたらす変更は何でしょうか」と尋ねてみよう。それでもまだ回答が不明確なら、「法人顧客を2倍に増やすのと、顧客当たりの売上高を40%増やすのとでは、どちらをより重視しますか」といったような二者択一を迫ろう。

4. さらに時間をかけられたら、と思うことは何ですか

 この質問は、マネジャーが重要だと考えているものの、より緊急性の高い仕事によって、いつも傍に追いやられてきた物事を明らかにする。さらに記録を作成する時間があればよいのにと思っているのかもしれないし、別のチームと関係を築いたり、顧客からのフィードバックを分析したりしたいのかもしれない。