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チームには定期的な見直しが不可欠
あなたのチームは最近、どのくらい頻繁に変化を経験しているだろうか。新メンバーが加入し、主力メンバーが去り、役割が入れ替わり、戦略が進化し、対立が生まれ、業績が下がる──いまの時代、チームは内部の動きと外部からの圧力の両方によってたえず変化し続けている。にもかかわらず、変化が生じた後も立ち止まってリセットすることなく、ひたすら前に進もうとするリーダーが多い。
優れたリーダーは、成功とは静的なものではなく、定期的な見直しが不可欠だと理解している。組織改編から人間関係のトラブル、モチベーションの低下、戦略の転換までさまざまな要因によって、微調整では対応し切れない瞬間が訪れる。そうした場面で必要なのは「リローンチ」(再始動)である。
本稿では、過去10年以上にわたって何百ものチームと関わってきた筆者らの経験に基づき、チームを適切な軌道に戻すためのロードマップを紹介しよう。
1. 再評価する:行動する前に診断を下す
リーダーには、根底にある問題を特定する前に、慌てて何かを変化させ、結果として事態を悪化させてしまうケースがよく見られる。行動を起こす前に、次の点を自問してみよう。
・目的、目標、優先事項についてチームの足並みがそろっているか
・解決されていない対立や、信頼に関する問題はないか
・モチベーション、エンゲージメント、ウェルビーイングが低下していないか
・外部からのプレッシャーがパフォーマンスに影響していないか
・適切なリソースがそろっているか
・人間関係への投資について共通のコミットメントがあるか
・あなたのリーダーシップスタイルに問題はないか、対応が不公平だと思われていないか
すべてのチームメンバーが率直に意見を言いやすいと感じているとは限らない。グループで話す場面や、リーダー本人を前にした場面ではなおさらだ。
人が懸念点を表明する方法は、文化的な規範や個人の経験、権力関係といった要素によって変わる。一対一の対話に加えて、匿名の簡易調査を実施したり、信頼できるメンバーに意見の取りまとめを頼んで、報告を受けたりするといった形もある。また、心理的安全性が確保されている場合には、メンバーが互いの考えを尊重し合いながら共有できるような、構造化された対話の場を設けるのも一案だ。