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スター人材の採用は始まりにすぎない
100万人に1人の逸材である採用候補者が、書類にサインして正式に入社した。あなたはすでに頭の中で、自分が担当するすべての大型プロジェクトにその新人を配置し、活躍を心待ちにしている。だがスーパースターの獲得は始まりにすぎない。これからは、この会社で働き続けたいと思わせる必要がある。
スターが引き抜かれるのを防ぐために、何ができるだろうか。彼らはモチベーションを保つために、何を必要とするのか。チーム内に反感を生むことなく、彼らのニーズに応えるにはどうすればよいのだろうか。
専門家の意見
この「Aプレーヤー」の採用には何週間も、あるいは何カ月も費やしたかもしれない。だが、それは自社を売り込むという簡単なものだった。これからは約束を実行する必要があると語るのは、講演家、著述家でリーダーシップ開発会社フランクリン・コヴィーの元最高人事責任者、トッド・デイビスだ。「稀少なスーパースター──並外れて頭がよく、適応性が高く、常に学んでいる人材──を採用したら、その人のエンゲージメントを高めて維持するために、あらゆる手を尽くす必要があります」
スーパースターはやはり自然に目立つため、競合他社にも注目される可能性が高いと、ミネソタ大学カールソンスクール・オブ・マネジメントの労働・組織学部准教授であるアラン・ベンソンは指摘する。「このような人たちは、契約を成立させ、新製品を設計し、大きなチームを率いる人材です」。その注目度ゆえに、競合他社が魅力的なオファーで引き抜きにかかる格好のターゲットとなる。「彼らのモチベーションの源泉は何かを、常に意識する必要があります。それは自律性、成功につながる複数の道筋、インパクトに見合った報酬を与えることを意味します」。以下で、その方法をいくつか紹介しよう。
まずは耳を傾ける
人材維持の取り組みにおいて、「人は仕事を辞めるのではなく、上司の下から去る」という格言がある。ギャラップのデータもこれを裏づけている。リーダーを信頼している従業員は、会社に留まる可能性が格段に高い。言い換えれば、スター人材の満足度と定着は、あなたとの関係にかかっているのだ。
「肩書きに囚われずに、相手を一人の人間として理解する」ようデイビスは勧める。その人を動かすモチベーションは何か、必要としているものは何かを探り出そう。3つの重要な問いかけを、継続的な対話の中心に据え続けることを彼は推奨する。
・あなたにとって、うまくいっていることは何か。
・うまくいっていないことは何か。
・次に取り組みたいことは何か。






