今日的な「制御不能な変化」に対応するためのリーダーシップ
HBR Staff
サマリー:今日起こっている「変化」は、量の増大と重層化、スピードの加速と終わりのない継続性、相互依存性、そして外部要因に左右される予測不能性が重なり合い、これまで以上に対応が難しくなっている。ガートナーはこれを「制御不能な変化」と呼ぶ。こうした環境では、個別の変革ごとに対応する従来の手法は限界を迎えつつある。本稿では、変化を日常業務として扱うアプローチを手がかりに、その対応策を探る。

「変化」を変化させる4つの要因

「カオス」「破壊的」「コントロール不能」「打ちのめされる」

 リーダーが今日の変化を表現するこうした言葉は、不安を呼び起こす。企業幹部は複雑な状況の中で変化をリードすることに慣れているはずだが、経験豊富なリーダーでさえ苦戦しているようだ。未来への意欲的なビジョンで従業員を鼓舞するという典型的な手法は、もはや通用しなくなっている。

 というのも、リーダーや組織が完全にコントロールできない形で、変化そのものが変化し続けているからだ。ガートナーでは、この状況は4つの要因が重なり合った結果であると見ている。

・変化が増大しているだけではなく、次々と積み重なるように発生している。

・変化のペースが速まっているだけではなく、具体的にいつ始まって、いつ終わるのかが不透明なまま継続している。

・変化の規模が拡大しているだけではなく、複数の相互依存関係が存在している。たとえば、一つのテクノロジーを導入しても他のテクノロジーと適切に統合できないことがある。

・変化が予測不能であるだけではなく、外部要因によって引き起こされている。テクノロジー、政治、経済的な不確実性、社会動向など、あらゆる方面から影響を受ける。