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データがすべての出発点
ワシントン州レドモンドのマイクロソフトリサーチを訪れ、構内の廊下を歩いていると、驚くほど多種多様なテーマについて議論が交わされる様子が耳に入ってくるだろう。そのテーマは、コンピュータ科学のみならず、銀河の回転方向から、新たなエイズ・ワクチン、貴重な地球の淡水の供給管理戦略にまで及ぶ。
これらの問題に、いったいどのような共通点があるのだろうか。そして、本来ソフトウエア会社であるはずのマイクロソフトがなぜ、このような問題に関わっているのだろうか。一言で答えると、それはデータ、それも膨大な量のデータを扱うという点が共通している。
その量がどれほど膨大かといえば、データベースの一部を分析するプログラムを走らせると、1万個のマイクロプロセッサーを収容する建物の温度が何度か急上昇するほどである。マイクロソフトリサーチのコンピュータ科学者たちは現在、天文学、生物学、化学、水文学、海洋学、物理学、動物学をはじめとする幅広い分野において、最先端の科学者たちと共同で、医薬品開発、代替エネルギー、医療費の抑制などの研究活動に取り組んでいる。そしてもちろん、商用ソフトウエアに関するプロジェクトも手がけている。