まず「整理」を行うことで、不要な物が捨てられ、空きスペースができたり、以前は見えなかったものが見えるようになることで、「清掃」の対象が拡大し、「清掃」が促進されます。また同様に、不要な物が捨てられ、空きスペースができることで、使用頻度の高い部品・治工具・金型などの手元化が可能になり、さらに「整頓」が促進されます。このように「整理」はさらなる「清掃」「整頓」を促すのです。
一方、この逆も発生します。つまり、日々身の回りのものをきれいにして点検する「清掃」という行為によって、改めて不要な物がクローズアップされて、さらなる「整理」のきっかけになることもあります。また、決められた場所に決められた物を決められた量だけ置くという3定によって、職場のルールが「見える化」されることで、従来では気付かなかった不要な物が、改めてクローズアップされてきて、さらなる「整理」のきっかけになることもあります。このように「清掃」「整頓」もさらなる「整理」を促すのです。
このように、「整理」「清掃」「整頓」がそれぞれ独立して継続する論理と、これら3つの活動が相互に関連して継続する論理の2つを通じて、3Sの徹底は日常の仕事の中から解決すべき問題を発見し続けることに繋がり、結果として、長期間活動を継続することが可能になるのです。
以上、今回は、日常の仕事の中から解決すべき問題をそのつど発見し、試行錯誤を通じて問題を解決し続ける発見型改善の典型例として、3S(整理・清掃・整頓)を取り上げ、このような3Sがなぜ問題発見や活動継続に結び付きやすいのかについて整理してきました。次回は、このような3Sの徹底を通じて、工場独自の文化が形成される点について述べたいと思います。





