『The Mobile Playbook』 には、モバイル戦略展開に当たって覚えておきたい重要項目が挙げられている。「その瞬間をとらえる」「よりスマートな判断を」「常にイノベーションを」である。
モバイル、ことにスマートフォンは、思い立った時に情報を得たり、店や顧客センターに電話をかけたりする道具でもある。消費者が何かを求めるその瞬間に対応することは、企業にとって必須。それをどう実現するのか。
「たとえば会計ソフトを開発するインテュイットは、スマートフォンで確定申告書の写真を撮り、そのまま送信して提出できるソフトを開発しました。これによって、税金申告の方法ががらりと変わりました」
これは、スマートフォンのカメラ機能を利用した用途だが、GPS機能もユーザーのニーズに応えられる。
ホテル・トゥナイトという会社は、空室のある近くのホテルと道順を表示するアプリを開発した。日帰り予定の出張が急に延びても、このアプリがあれば手間が省ける。スペロ氏は「こうしたビジネスは2年前には存在もしていなかった」と言う。
また、通信キャリア大手のT-モバイルは、新商品や新サービスの広告から店舗ロケーターにつながる流れをつくっている。ユーザーのエンゲージメントが、実店舗への来店に結実するわけだ。
「常時ネット接続しているデバイスは、我々とブランドとの関係を変えています。成功を収めている企業は、時間がない、あるいは出先にいるユーザーが必要とするエクスペリエンスを、ちゃんと構築しているところです」

「その瞬間をとらえる」「よりスマートな判断を」「常にイノベーションを」の3つの項目からなり、それぞれ豊富な調査資料や事例とともに、短時間でも理解しやすいようにポイントよくまとめられている。
http://www.themobileplaybook.com
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