-
Xでシェア
-
Facebookでシェア
-
LINEでシェア
-
LinkedInでシェア
-
記事をクリップ
-
記事を印刷
管理を強化してもアカウンタビリティは根づかない
今日のリーダーは、組織再編、文化や価値観の不安定な変化、AIの急速な普及が進む中で、成果を出すことへの強いプレッシャーにさらされている。業績が落ちたり実行力が揺らいだりすると、リーダーはしばしば本能的に統制を強め、監視を強化し、目標設定を厳しくし、そして従業員にアカウンタビリティ(結果に対する責任)を求めようとする。
だが、そうした取り組みがリーダーの期待する成果につながることはほとんどない。オーナーシップ(当事者としての責任感を持って取り組む姿勢)や職務の遂行力を高めるどころか、人々はリスクを避けたり、問題を小さく見せたり、アカウンタビリティを「実際に果たすこと」よりも「果たしているように見えること」を重視しようとしたりする。こうした状況はパフォーマンスを停滞させる。適応することが最も重要な時に、組織の動きが鈍くなり、官僚的になり、レジリエンスが低下するからだ。
問題の核心は、アカウンタビリティは強制するものではないことにある。真のアカウンタビリティとは、結果に責任を持ち、約束したことを最後までやり遂げ、失敗には誠意を持って対処することを、個人と組織が日々選び続ける姿勢である。たとえ状況が変わって成功が保証されなくても、それは揺るがない。アカウンタビリティはみずから選び取るべきものなのだ。残念ながら、多くのリーダーは成長や学びよりも確信があるように見せることを評価し、ミスを罰し、従順さとオーナーシップを取り違えている。その結果、従業員がみずからアカウンタビリティを選びやすくなるどころか、むしろそれを難しくするような環境を、意図せず生み出している。アカウンタビリティを定着させるためには、リーダーは、アカウンタビリティが本当の意味で自発的な選択になるようなマインドセットと仕組みの構築を促す必要がある。
では、アカウンタビリティは日常の小さな行動にどのように現れるのだろうか。
・個人がミスを隠さずに認める。 個人レベルでは、アカウンタビリティとは、誠実さを持って最後までやり遂げるという個人の決断である。ミスを自分のものとして認め、状況の変化に適応し、結果が保証されなくても行動し続けることだ。
・チームが、信頼感を損なわずに厳しいテーマについて議論する。 チームレベルでは、アカウンタビリティはチーム全体の成果に対する共通のコミットメントを指す。そこでは、互いを信頼し、率直な議論とフィードバックを交わすことが、避けるべきものではなく、当然のこととして期待される。
・方向性が変化したとしても、前進したことを組織が高く評価する。 組織レベルでは、アカウンタビリティは、プレッシャーが高まった時に後退するのではなく、前に出てみずから行動を起こすことを後押しするシステムや規範によって形成される。
こうした行動は意思に基づくものだ。もし監視されているから行動しているだけなら、監視の目が緩むとたいてい行動も尻すぼみになる。だが、アカウンタビリティが個人の選択に基づいているなら、不快な思いをしたり状況が不安定になったりしても、持ちこたえるだろう。
ここでありがちな問題の一つは、リーダーが自分の安心感を優先させることだ。彼らは明確な期待を設定することとアカウンタビリティを混同したり、明確さと統制を取り違えたりすることがある。だが、どれだけ明確な期待を示しても、アカウンタビリティが生まれるとは限らない。変化と不確実性に満ちた状況では、明確さは不安を緩和するかもしれないが、それだけで従業員が毎日、優れた仕事をしようという意志と責任感を持って仕事に当たるようになるわけではない。
リーダーは「どのようにして従業員にアカウンタビリティを醸成できるか」ではなく、「何が、彼らがアカウンタビリティを選び取ることを妨げているのか」と問うべきだ。以下は、アカウンタビリティをみずから選びやすくし、それを妨げない環境をつくるための指針であり、筆者がコンサルティング会社のBTSでグローバル企業と協力して大規模な変化と変革に取り組んだ際の経験に基づいている。







