役員からの予期せぬ質問に、優秀な人はどう答えるか
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サマリー:エグゼクティブからの突然の質問に対し、多くの人は事実やデータで答えようとする。しかし、意思決定者が本当に求めているのは情報そのものではなく、その背後にある懸念や判断材料に対する回答である。どれほど正確な説明でも、相手の意図に応えていなければ不安は解消されない。筆者は、経営層の質問の背景には共通する3つのニーズがあると指摘する。

突然のエグゼクティブからの質問に戸惑う時

 あなたは、自分の事業部門のリーダーと隣のチームのシニアメンバーに、あるプロジェクトのロードマップをプレゼンしている。1週間以上かけて準備をしてきたから、その計画には自信がある。ところが、スライドがまだ半分残っているところで、あなたの部門のトップが、「そういえば、レガシーシステムの移行はどうなっているのですか」と質問をしてきた。あなたはトラッカー(進捗管理シート)を開き、各工程の関連性を説明し、現在の開発サイクルにも触れた。トップはうなずいたが、さらに質問してきた。「12月の価格決定実験はどうなったのですか」。そこであなたはまた、すべてのデータを示す。

 そのミーティングが終わった時は、すべてがうまくいっているように見えたが、上司との次の面談で、こう言われた。「ところで、先日のロードマップに関するミーティングの後、(部門トップの)アナに呼び止められました。マイグレーションと価格体系の現状には不安がある、と」。あなたはいら立ちを覚え、「すべての情報を伝えたのに、何が問題なのだろうか」と考える。

 エグゼクティブに突然質問されて、窮することは誰にでもある経験だ。取締役に呼び止められることもあれば、直属の上司を飛び越えて上から現状の評価を迅速に求められることもあるかもしれない。相手は即答を求めている。あなたの回答が、チームが資金を確保できるかどうかや、プロジェクトが前進するか、あるいは、あなた自身の昇進に影響を与えるかもしれない。

 そのような時、回答は事実だけに留めて、あらゆる要素をカバーしておこうと思うのが自然な反応かもしれない。だが、極めて詳細な回答でさえ、そもそもエグゼクティブがなぜその質問をしてきたのかに応えていなければ、逆効果になりうる。意思決定者は、単に情報を渡されるのではなく、自分のより深い動機や懸念に応えてほしいと考えている。

 筆者はエグゼクティブコーチとしての経験から、エグゼクティブの質問の背景には通常、次の3つのニーズがあることを発見した。

安心:「これは管理されているか」

 多くの場合、現状報告を求める(ように見える)質問は、実のところ安心を求めている。エグゼクティブは、心配する必要はなく、予想外の事態は生じないことを知りたいのだ。たとえば、競合他社や規制変更がニュースになった後、突然上から現状の確認要請が入るかもしれない。あるいは四半期の初めに、一見したところ気軽に「調子はどう」と聞いてくるのは、彼らが自分の上司に報告する前に、状況を把握しようとしているのかもしれない。

 安心が求められている時は、まず要点を伝え、具体的な根拠を一つ提示し、新たな進展があれば報告すると伝えよう。具体的には次のような言い方ができる。

・「数字は順調です。目標を10%超えるペースです。次の営業会議までに変化があったらご報告します」

・「こちらには特に懸念事項はありません。チームは先週、最優先課題2つを解決しました。あなたの判断が必要な重要事項が生じたら、ご連絡します」