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女性リーダーのさらなるキャリアアップの機会が損なわれていないか
この20年間、多くの組織が取締役会におけるジェンダーの多様性を高めるうえで、大きな進歩を遂げてきた。たとえば、現在ではS&P500企業やFTSE100企業(ロンドン証券取引所に上場する上位100社)において、女性は取締役のかなりの割合を占めている。投資家や規制当局、社会全体からの継続的な圧力を受けた結果だ。
先行研究では、この変化が取締役会の意思決定や組織の業績に影響を与えることが示唆されているが、筆者らは、この変化が女性取締役本人にどのような影響を与えるのかという、いまだ解明されていない疑問を探求したいと考えた。名高い企業の取締役に就任することは、一般的に成功の証であり、さらなるキャリアアップへの足掛かりと見なされている。その理屈は明快で、所属する組織の知名度や影響力が高いほど、より多くのチャンスに恵まれる、というものだ。
FTSE100企業の取締役約2000人を対象とした筆者らの調査研究では、こうしたエリートのポストに就いた女性は、平均して男性よりも別の企業の取締役に任命される確率が高いことが示された。一見すると、これはサクセスストーリーのように思える。女性もひとたび上層部へ食い込めば、次々とチャンスが舞い込んでくるというわけだ。
しかし、すべての取締役のポストが同じ価値を持つわけではない。FTSE100企業の中でも、企業の規模、注目度、影響力には大きな差がある。そして、まさにこの点においてパターンが変化する。企業の知名度が高まるにつれ、男性が別の取締役ポストを獲得する確率は上昇するのに対し、女性は逆にその確率が低下するのだ。
この研究結果は、高い実績を上げる女性たちが直面するより広範な課題を浮き彫りにしている。トップの座に就くことと、その恩恵を享受することは別問題なのだ。本稿では、なぜこのような現象が起きるのか、そして組織はそれに対してどう対処すべきなのかを考察する。
なぜ性別によって名声への影響は異なるのか
当然、なぜこのようなジェンダーによるパターンの違いが生じるのか、という疑問が浮かび上がる。これを探るため、取締役の経歴、役割、人脈に関する詳細なデータを用いて、考えられるさまざまな要因を綿密に分析した。
一つの可能性として、企業側が、注目を集める取締役ポストの価値について、男女で異なる解釈をしているケースが考えられる。知名度の高い企業の取締役を務めることが、女性の場合は過小評価されているのかもしれない。有名企業ほど多様性への要請に応じる傾向が強いため、そうした企業の女性取締役は、純粋な専門性よりも、多様性の確保という理由で選ばれたと見なされやすい可能性がある。
しかし、筆者らのデータはこの解釈を否定している。実際には、知名度の高い企業にいる女性は、そうではない女性よりも高い資質を備えている傾向がある。さらに最上位層においては、保有する取締役ポストの数、学歴、過去の取締役経験のいずれについても、同職の男性より優れた資質を持っている。むしろ、知名度の高い企業の取締役ポストに就いていることは、男性よりも女性において、その有能さを証明する強力なシグナルとなっているのだ。
もう一つの可能性として、こうした企業の女性取締役は単純に職務の制約が多く、多忙を極めるために、それ以上のポストを引き受ける余裕がないという点が挙げられる。これについても、そうした事実は確認されなかった。それよりも本質的な原因は、その役割においてどのような経験をするかにあるようだ。知名度の高い企業の取締役を務めることは、単に能力を示すだけではなく、特有の要求が伴う。そうした取締役は、投資家、規制当局、メディア、一般社会から厳しい監視の目にさらされている。取締役の露出度は高まり、その決定はより注意深く監視され、失敗の代償も大きくなる。
筆者らの研究は、この監視の目が女性に対してより厳しく向けられる傾向があることを示唆している。その結果、事前の準備やパフォーマンスに対する期待値が高まり、能力を証明するためにより多大な努力を強いられることになる。さらに女性は、メンター活動や組織の外部代表、多様性推進の取り組みへの貢献といった、付随的な責任をみずから引き受ける傾向も強い。これらの要求が明文化されることはめったにないが、これが積み重なっていくと、女性に対する評価や、本人がさらなる機会を追求しようとする意欲を左右する。つまりこれは、名声が飛躍の足がかりではなく、時に足かせとなってしまう理由の一つになる。







