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ミドル層のバーンアウトが拡大している
先日、あるリーダーシップ関連のイベントにアドバイザーとして出席した時のこと。大手グローバル企業のCEOが人材について話していたが、途中で一瞬沈黙し、その後、こう述べた──「我が社はある問題に直面しています。バーンアウトが切実な問題になっているのです」。
この発言そのものは、取り立てて意外なものではなかった。しかし、それに続いてCEOが述べたことは、その場にいた全員が予想していなかったものだった。「それは、仕事の世界に足を踏み出したばかりの若い従業員ではありません。キャリアの終盤に差し掛かっている人たちでもありません。40代半ばから50代前半にかけての人たちの間にバーンアウトが広がっているのです」
このCEOによれば、バーンアウトで苦しんでいる従業員の多くは、月並みの人たちではない。とりわけ経験豊富で有能な人たち、つまり会社側が将来の最高幹部候補として期待を寄せていた人たちがバーンアウトに陥っていたのだ。そうした人たちのエンゲージメントが低下し、キャリアが停滞するようになり、しばしば会社を去るようにもなった。
その結果、会社は組織の暗黙知を失い始めていた。「いまこそ勢いが必要なのに、私たちは勢いを失いつつあるのです」と、CEOは打ち明けた。
筆者と研究チームのメンバーは、2カ月に1回、働き方の未来についてビジネス界のリーダーたちと意見交換している。そうした会話の中で、このCEOと同様の悩みを聞くことがしばしばあった。ビジネスリーダーたちは、自社の将来のリーダー候補である経験豊富なプロフェッショナルたちが中年期ならではの重圧に苦しめられている状況を憂慮しているのだ。
ほとんどの場合、企業はこうした問題を個人レベルの問題と位置づけている。一部の人たちが勝手に燃え尽きている、という見方をしているのだ。しかし、筆者のこれまでの研究によれば、これはシステム全体に関係している問題だ。
40代の人たち全般が苦しんでいるのは、50年間、ことによると60年間続く可能性のある職業人生をがむしゃらに突き進もうとしているからだ。しかも、職業人生が30年間しか続かない時代の古い前提に基づいて行動していることが問題に拍車をかけている。
長寿化は、いまや人的資源マネジメントで無視できない要素になっている。以前は、40代と言えば、キャリアの終わりの始まりに差し掛かっているといえた。しかし、いまでは、まだ30年間、場合によってはもっと長く働かなくてはならない。研究によると、現在40代半ばの人は、70代初めから半ばまで働く必要がある可能性が高い。いま20代の人は、ことによると70代後半、さらにはもっと長く職業人生が続く可能性が高いという。
50~60年間続くキャリアを生き抜かなくてはならない人たちの数は非常に多くなっており、しかもその数は増え続けている。企業はこの新しい現実に適応しなくてはならない。
長寿化と仕事をテーマにした筆者の研究によると、職業人生が長くなるのに伴い、20代の働き手たちは日常的に実験を行っている。自分たちには、新しいことを試し、軌道修正し、脇道を試す時間的余裕があると思っているからだ。一方、60代の働き手たちは、昔よりも内省し、計画的に行動するようになっている。この人たちも新しい可能性が開けているように感じている。







