Step1◆「魅力度」と「自社にとっての重要度」で評価する
まず、「代理店自体をどのように評価して強化するか」について考えてみましょう。質問者のケースでは、どのような基準で代理店を評価しているのでしょうか?
通常は、代理店別に自社製品の売上規模や成長性を評価します。たくさん購入してくれて売上高と粗利額が大きければ優良代理店です。もちろん、売上高に応じて粗利額も大きくなりますから、粗利率で考えることが重要です。
契約代理店の数は不明ですが、売上高と粗利率だけで評価する場合、横軸に売上高・縦軸に粗利率のグラフを書いてみましょう。すると、各代理店が“点”で表され、優良ゾーンにいる代理店は一目瞭然です。さらに、粗利率が平均を上回る代理店の“点”を〇で囲めば、超優良代理店がはっきりします。
ただし、これだけでは十分とはいえません。それは単に、自社と代理店との取引関係を評価しただけです。つまり、「自社にとっての重要度」を見たにすぎません。目的は、売上げを増大させることですから、「代理店の実力度合」を知る必要があるのです。それには、代理店の売上規模や成長性、平均経常利益率などの経年変化を調べます。これを自社にとっての重要度と位置づけます。
売上高が大きく、成長を続け、経常利益率も高い代理店は、本当に魅力的なんですね。そこで、この「魅力度」で、代理店を3グループぐらいに分けてみましょう。また先ほどの「自社にとっての重要度」でも、代理店を3グループぐらいに分ける。こうすると、3グループ×3グループで合計9つのグループが浮上します。これが、自社が取引する代理店の「魅力度と重要度」によるグループ分類です。
ここで注目すべきは、魅力度は高いのに、結果を出せていない代理店です。これはまさに、自社に問題があるケースです。逆に、魅力度は低いけれども、自社にとっては重要という代理店があります。こちらは、近い将来の売上げ減の可能性を考えておく必要があります。