Step2◆営業担当の「貢献度」を評価する
データに基づく評価はここまでにして、次にすべきは、9つのグループに属する各代理店を訪問し、現在抱える問題とその原因を明らかにすることです。これがポイント、きわめて重要です。
データだけで評価すると、状況を理解しないまま一律に「強化」「現状維持」「契約停止」といった対応をしてしまいがちです。それは、絶対にやってはいけないことなんです。数値は「活動の結果」を表しているだけなので、なぜそうなったのかを理解して初めて、有効な対策を考えることができます。
先ほど、「自社に問題がある」ことに触れました。もちろん、自社製品に特長がない、価格優位にないという事情はあるでしょうが、実は(お気づきのように)多くの場合、自社の問題とは、営業の問題なのです。事実、営業部門を見直して、売上増につながることがよくあります。
代理店に対する評価は、通常、営業担当1人当たりの売上規模、売上高成長率、粗利率などを用います。販売費が大きな割合を占める場合は、営業利益率で評価します。ただし、それらだけで正確に評価することは難しい。なぜなら、優良代理店の営業担当者はおのずと業績がよくなってしまうからです。
ということは、営業担当者1人ひとりの貢献度、成果を評価することが重要になってきます。その場合、各営業が担当する既存代理店については、売上規模だけでなく、売上高成長率や代理店のインストアシェアの変化、自社に貢献できる粗利額とその成長率なども調べる必要があります。さらに、新規代理店の開発にも注視すべきでしょう。
特に重要なのは、営業担当者の代理店販売成績を平均値ではなく、個別の数値で評価することです。営業の評価も代理店のそれと同じく、成績のよい営業と悪い営業に個別に事情を聞き、原因を理解したうえで対応策を考えます。