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世界最高峰の学生の間でさえ起こるコミュニケーションの崩壊
ベトナム・ハノイにある大手通信会社で行われたグローバル・コンサルティング・プロジェクトの2日目の夜。MBA(経営学修士)の学生たちで構成されたチームは、完全に行き詰まっていた。
あるメンバーは議論をまとめようとタスクを割り振り、期限を確定しようとしていた。別のメンバーはそれまで沈黙していたにもかかわらず、終盤になって突然、新しい戦略的視点を打ち出し、チームが合意したはずの決定事項を再検討することになった。チーム内に不満が高まり、議論は解決の糸口が見えないまま堂々めぐりを始めた。
こうした光景は、ハーバード・ビジネス・スクール(HBS)の代表的な実践プログラム「フィールド・グローバル・イマージョン」の2024年度のセッションにおいて、多くのチームで繰り広げられた。このプログラムでは、MBA生約1000人が階層構造を持たない小規模なチームを編成し、世界16カ国のいずれかにおもむいて現地のリアルなビジネスの課題に10日間にわたって取り組む。
プログラムの体験は、曖昧なデータ、不慣れな市場、異文化間のダイナミクス、厳しい締め切りなど、多くの企業のチームが日々直面しているプレッシャーを映し出している。しかし、難関のビジネススクールに入学した優秀な人材が集まっているのだから、チームは円滑に機能すると、たいていの人は想像するだろう。
しかし、現実は違った。プログラムの終了までに、全158チームのうち45チームで、教員の介入を必要とするほど深刻なコミュニケーションの崩壊が起きたのだ。原因は、知性やモチベーションの不足ではない。認識やコミュニケーションのスタイルの違いを乗り越えるための共通の方法を欠いていたことだった。
知性とモチベーションの限界
筆者らがMBAのチームで目撃した現象は、けっして特異なものではない。形を変えながら同じようなダイナミクスが日々、あらゆる組織で起きている。現代のチームは、非常に有能でありながらも、情報の処理、意思決定へのアプローチ、ストレス下でのコミュニケーションの方法がまったく異なる人材で構成されることが多い。こうした違いを乗り越えるための共通の枠組みがなければ、摩擦はエスカレートし、信頼関係は損なわれ、実行のスピードは低下する。
平時であれば、こうした違いは問題にならないように見えるかもしれない。しかし、ストレスがかかると、それが増幅される。あるメンバーが迅速な意思決定を求める一方で、別のメンバーは選択肢の模索を続けようとする。率直なフィードバックはある人にとっては効率的だが、別の人にとっては冷淡に思える。返答する前にじっくり考える時間を必要とするメンバーもいれば、その沈黙をやる気のなさと解釈するメンバーもいる。
いずれのケースでも、問題は能力ではなく、解釈の違いにある。筆者らは各グループで起きたことを分析し、次のような結論に達した。チームが失敗するのは、意見が対立するからではなく、互いの意図を誤って解釈するからである。
筆者らのうち二人(シュレシンジャーとフラー)はHBSの教員であり、フィールドプログラムの責任者として(現在はフラーが統括し、その前はシュレシンジャーがその任にあった)、厳しい現実に直面した。筆者らは学生たちに対し、市場を分析し、戦略を構築し、計画を実行するために厳しく教育してきた。しかし、多様な人々がどのように情報を処理し、プレッシャーに反応し、対立にどう向き合い、乗り越えるのかを理解するための準備を十分に提供できていなかった。チームとして効果的に働くための訓練が不足していたのである。
インターパーソナル・コンピタンスの必要性
この気づきをきっかけに、イマージョン・プログラムの一部を見直し、タイプコーチと提携することにした。同社は、思考やコミュニケーション、働き方の違いにチームがより効果的に適応できるよう、研修とオンラインツールを提供している(本稿のもう一人の筆者であるトーミーは同社の共同創業者兼社長であり、2025年度のMBAクラスの全960人にプログラムを指導した)。







