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パイロットの訓練に見る変化
航空業界では長年にわたり、パイロットの訓練プログラムは2つの到達目標を軸としてきた。一定時間の飛行経験を積むこと、特定の機種を操縦する資格の取得の2つだ。航空会社はこれらの成果を、努力で身につけた能力の証と見なしてきた。
しかし、コックピットの自動化が進むにつれ、航空会社はパイロットの能力を新たな方法で把握する必要に迫られている。たとえば、数千時間の飛行時間を記録しているという事実だけでは、そのパイロットが、不確実な状況で起きる例外的な事態に、どのように対応するかまではわからない。そうしたケースで重要なのは、リスクをどのように認識し、どのように判断を下すかである。
そのような能力を見極めるために、航空会社は高度なデータ監視システムを採用している。各フライト中に何千ものデータを収集し、それをもとに、状況の変化に応じた意思決定や反応時間、手順の遵守などのパターンを捉えるのだ。つまり、実際にどのような操縦をしているかに基づいて、パイロットを継続的に評価している。
航空業界で起きているこうした変化は、多くの組織が職種や業界を問わず、今後必要とする評価の仕組みを先取りしている。すなわち、パフォーマンスを監視し、パターンや問題を検出し、リアルタイムで学習につなげる継続的アセスメントである。
たとえば、今後数年のうちにも、手術室で同じような変化が起きるかもしれない。すでにAIシステムは、内視鏡の映像を解析して手術器具の動きを追跡し、処置の最中に手技の逸脱があれば検知できる。病院が、外科医の能力を一度認定しただけで、その後も維持されることを前提にして済ませるのではなく、症例ごとに実際の手術の進め方を評価する未来が近づいているのだ。
本稿ではこのような仕組みがもたらすリスクとベネフィットを整理し、その構築に関する基本的な指針を提示したい。
リスクとリターンは現実にある
日々の業務の流れを監視する仕組みは、多くの従業員にとって、学習の仕組みというより監視システムのように受け止められかねない。こうした問題は最近、メタ・プラットフォームズでも表面化した。きっかけは、同社が米国を拠点とする従業員のPCに追跡ソフトウェアを導入して、マウスの動きやクリック、キー入力を収集し、スクリーンショットも時々、保存するようになったことだ。
会社は、これらのデータが従業員の業績評価ではなくAIシステムの学習に利用されると説明したが、社内で大きな反発を招いた。この取り組みは、職場における継続的な評価の仕組みが、従業員から強制的で不透明、しかも搾取的と受け止められた時、いかに急速に正当性を失うかを浮き彫りにした。
こうした仕組みは組織を近視眼的にするおそれがある。従業員が「重要なこと」ではなく「測定されること」を最適化するようになるからだ。しかし、組織はむしろ、従業員が実験を行い、新しいスキルを身につけ、まだデータに反映されていないアプローチを模索できる余地を組み込む必要がある。システムが適切に設計されていれば、継続的な評価は行動を制約するのではなく、学びやすい環境を明確に整えることにつながる。
「監視そのものが目的になってはならない」と、グローバルなテック人材マーケットプレイスであるアンデラCEOのキャロル・チャンは言う。チャンはウーバーで8年間、ドライバーおよび配達員のグローバル部門を率い、世界各地に分散した労働力を管理した経験を持つ。チャンによれば、次世代の評価システムは成果を測るだけでなく、人々が実際にAIとどのように協働しているかを理解する方向へと進むという。







