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企業に最適な創造性のある人材を獲得するには
創造性は、採用候補者が持つべき最も価値ある資質の一つとして広く認識されている。世界経済フォーラムの2025年版「仕事の未来レポート」でも、意欲やリーダーシップ能力と並ぶ重要度に位置づけられた。ここで問題となるのは、企業がそうした創造的な人材を最も効果的な方法で見出せているか、という点である。
現在進行中の新たな研究において、筆者らは創造的な職種の求人情報で使われている言葉を分析した。その結果、今日の多くの企業が創造的な人材を最適な形で採用できていないことが明らかになった。しかし同時に、言葉を少し工夫するだけで、企業は創造的な応募者の質と量の両方を劇的に向上させられる可能性があることもわかった。しかもその工夫は、すぐに実践できるものだ。
研究について
一般的な認識に反して、心理学や組織行動学における長年の研究が示しているのは、組織における創造性とは、生まれ持った能力や天才性から生まれるものではないということだ。むしろ、他者との協働や、受け取るフィードバックの質、新しい情報源に触れることから生まれる。組織の中で最も革新的な人とは、周囲のアイデアやインスピレーションを活用し、有望な新しい方向性を巧みに発見できる「創造的な探求者」であることが多い。それにもかかわらず、本研究からは、今日の多くの企業がそれとは逆に「創造的な天才」を求めている姿勢を打ち出している実態が浮かび上がった。
たとえば、米国とカナダにおける創造的な職種(クリエイティブディレクター、グラフィックデザイナー、クリエイティブ・コンテンツ・スペシャリスト、マーケティングコーディネーターなど)の求人広告約1万件を対象とした調査では、求人広告に「天才」「ビジョナリーな」「独自性のある」といった言葉が含まれる割合は、「好奇心旺盛な」「観察力のある」「実験的な」といった言葉が含まれる割合の2倍以上だった。また別の調査では、現在採用を担当しているマネジャー300人以上を集め、創造的な職種の求人原稿を執筆してもらった。すると、大半が以下のような内容だった。
一方で、次のような求人原稿を書いた人は極めて少なかった。
しかし、このように「天才」を求める表現が広く使われているにもかかわらず、求人においてどのタイプの表現が実際に効果的であるかを追跡調査したところ、驚くべき事実が判明した。応募者は、「天才」を強調する言葉よりも、「探求者」を強調する言葉を用いた求人に申し込む確率が大幅に高かったのである。
これを検証するため、同じ職種に応募した実際の求職者2000人を対象に、オンラインの労働市場で実験を行った。実験では、応募者の半数には「探求者」を表す言葉を用いた求人広告を見せ、残りの半数には「天才」を表す言葉を用いた求人広告を見せた。年齢、職務経験、雇用形態、在留資格といった要因をコントロールした結果、男女ともに「探求者」の言葉を用いた求人に応募する傾向が強かった。
この結果が注目に値するのは、これまでの研究では「卓越した才能」や「天才」といった言葉は、女性の応募を妨げる傾向があることが示されてきたからだ。なお、女性が敬遠するのは自身の才能が不足していると感じるからではなく、それらの言葉が「男性中心の職場環境」を強く連想させるためである。
さらに、「探求者」を表す言葉は、応募数を増やし、応募者の多様性を高めるだけでなく、創造性の指標で高い評価を得る人材からの応募も促した。研究の一環として応募者にパーソナリティ測定を実施したところ、「探求者」を表す言葉に特に好反応を示した応募者は、過去の創造的業績、経験に対するオープンさ、調和性のスコアが高いことがわかった。また、彼らは自分が創造的な人間であるという自認も強い傾向があった。言い換えれば、企業がまさに採用したいと願っている創造的な人材を惹きつける上で、「天才」よりも「探求者」を前面に出した言葉のほうが、大幅に効果的であることが明らかになったのである。







