採用担当者は「返信が早い人」を無意識に高く評価する
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サマリー:採用担当者は、優れた資質を持つ候補者よりも返信が早い候補者を無意識に高く評価する傾向があり、わずかな遅れすら採用結果を左右する。しかし、返信の早さが必ずしも業務の適性と一致するとは限らない。本稿では、膨大な取引データや心理実験をもとに返信スピードが採用判断に及ぼす強力な影響をひも解き、リーダーが無意識の偏重を克服して真の適任者を見極めるための処方箋を提示する。

採用担当者は、返信が早い候補者を無自覚に高評価する

 あなたが採用関連の決定を下す時は、いつも一連の評価基準を当てはめているだろう。経験年数や学歴といった客観的な情報に基づき候補者を絞り込み、もしかすると推薦状や応募者のカバーレターなど、主観的な要素も考慮に入れるかもしれない。そして、おそらく数人の最終候補者に連絡を入れるが、最終的な採用決定はどのように下しているだろうか。

 筆者らは、『マネジメント・サイエンス』誌に掲載された新しい研究で、マネジャーは無自覚かもしれないものの、一貫して適用している基準を見つけた。それは採用候補者の返信スピードだ。

 この調査では、より高い資質を持つ候補者がいる場合でも、採用担当者は通常、返信が早い候補者を選ぶ傾向があることがわかった。実際の採用判断を分析したところ、候補者の返信がわずか数分遅れるだけでも、採用される確率に大きな影響を与えることがわかった。

 リーダーが最高の採用決定を下すためには、このスピード要因が自分の意思決定にどのくらい影響を与えているか認識し、それが本当に適任者を選ぶのに役立っているか見極める必要がある。

なぜ返信スピードが重要なのか

 この調査では、業務委託やフリーランスの採用決定に焦点を絞った。フリーランサーと企業・個人を仲介するグローバルマーケットプレイス「ファイバー」(Fiverr)における1100万件以上の取引を分析したところ、求職者が雇用主からの最初の連絡(質問や応募に関するフォローアップなど)に返信したスピードと、最終的な採用結果との間に、極端な、疑いようのない関係があることがわかった。平均すると、求職者による返信が1時間遅くなるごとに、採用確率は46%低下した。採用担当者のダイレクトメッセージを受け取ってから返信するまでに24時間以上かかった求職者は、即座に返信した求職者と比べて、採用確率が90%低かった。このように返信スピードは極めて強力な予測因子であり、ファイバーの求職者の平均的な返信が3時間後になった場合の採用率は、過去の仕事に基づく評価が実際より20%低い場合と同等の採用率に低下する。

 この「スピードペナルティ」は、仕事のタイプ、委託業務の規模、報酬額、ファイバーの利用年数、その他の変数を問わず、一貫して確認された。

 なぜ返信スピードは、採用マネジャーにとってこれほど説得力のあるフィルターとなるのか。空席を効率的に埋めなくてはいけないという直接的な関心以外にも、今回の研究では、業務委託でも、長期雇用でも、返信スピードはポジティブな性格特性を示唆する要因と見なされていることがわかった。

 筆者らは複数の追跡実験で、計8600人以上に、採用担当者になったつもりで、最初のメッセージに対する求職者の反応に基づき採用決定を下す状況を想定してもらった。また、求職者の能力や温厚な性格、コミュニケーション能力といった要因についても評価してもらった。

 このうち一部の実験では、1時間以内に返信してきた求職者と、2日後に返信した求職者を評価してもらった。また別の実験では、返信スピードがまちまちな複数の求職者を評価してもらった。求職者からの返信内容は、委託業務の実行手順の説明に統一された(たとえば、プロの写真家の場合、撮影をどのように行うかの説明)。一連の実験を通じて、返信スピードはその応募者の能力や温厚な性格、将来の対応力に関する評価の予測因子となり、実験参加者は、速やかな返信をする応募者を採用する可能性がはるかに高いと答えた。