彼女の本当の問題は、完璧な英語力がないことではない。彼女にはもっと根本的で大きな問題がある。
それは、英語が苦手だからといって必要な情報を相手に伝えることを諦めている、その姿勢にある。本来であれば、「下手な英語でもなんでもいいから、最後まで、何が何でも伝えよう、ビジネスなんだから」が正しい姿勢のはずなのだ。
そう、彼女の問題は英語力ではなく、「伝える覚悟」がないことにある。
「伝える覚悟がない」→ 「コミュニケーションを諦めている」 → 「伝える覚悟を付けましょう、ビジネスなんだから」が正しい図式になるはずだ。
もし、彼女が現状の自分の英語力ではスムーズに伝えることが困難だと感じているなら、身振り手振りを使い、ノートやホワイトボードでの筆談もフル活用し、電子辞書を使い倒し、必要とあれば英語ができる日本人の友達にその場で電話をかけて、受話器越しに、彼女の言いたいことを伝えてもらう、それくらい何でもいいからあの手この手を使って伝えることが必要だ。あらゆる手を尽くし、必要なことは相手に伝えなければならないのだ。
英語力のせいにして、自分の言いたいことを中途半端に引っ込める方がよっぽど危險である。
そう、彼女は、英会話学校にいく前に、ビジネスの基礎姿勢を勉強し直すべき、つまり「伝える覚悟」を醸造すべきなのだ。