サマリー：2009年にユニリーバのCEOに就任したポール・ポルマンは、イギリスとオランダに本社を置き、長い歴史を有する同社を世界で最も革新的な企業へと変身させた。就任当日に利益予測の発表と四半期報告を廃止するという大... もっと見る胆な方針を打ち出し、さらに2011年、2020年までに売上げを倍増させると同時に、環境負荷を半減させるという意欲的な計画をスタートさせたのだ。このきわめてチャレンジングな目標は達成すれば称賛の的になるだろうが、数字が伴わなければ退陣を求められることになる。企業としての本質は守りながら社会的使命をまっとうしようと指揮を執るポルマンに、社会と環境に貢献するビジネスモデルとは何か、株主や投資家との関係、また消費者との企業との関係をどう考えるか、CEOとしてあるべき姿とは何か、などを聞く。 閉じる
ポール・ポルマンは変革を断行することを恐れない。2009年にユニリーバのCEOに就任して以来、ポルマンはイギリスとオランダに本社を置くこの多国籍企業を、世界で最も革新的な企業へと飛躍させた。
利益予測の発表や四半期報告を廃止し、ヘッジ・ファンドに対しては「あなた方は歓迎されざる投資家だ」と公言してはばからない。そして2011年に、2020年までに売上げを倍増させると同時に、環境負荷を半減させるという志ある計画をスタートさせた。
成功すれば、他のCEOの手本となるだろう。しかし、同社の業績が芳しくなければ、退陣を求める声が上がるであろうことは本人も十分承知の上である。
社会貢献の新しい仕組み
イーベイの創業者、ピエール・オミダイアは、1998年9月の株式公開で莫大な資産を手に入れた。同社はオミダイアがその3年前に長期休暇を利用して書き上げたコンピュータ・コードが基となっている。苦労して築き上げた... もっと見る会社という感慨もなく、彼にとってみれば降って湧いたような財産だった。これを有効によき目的のために使われなければならないと考え、妻とともに財団を設立した。当初は行き当たりばったりに、寄付などを行っていたが、その後、イーベイがもたらした社会的な影響力をヒントに、企業やビジネスの力を取り入れて、社会に継続的な変化をもたらすことはできないかと考えるようになる。そしてオミダイア・ネットワークという有限責任会社を立ち上げ、非営利と営利を組み合わせた新しい形態の社会貢献活動を開始した。オミダイアは非営利・営利のどちらであっても「世界をよりよくする」ことは可能であり、そのためには適切な資本構成と優れたリーダーが必要であると説く。 閉じる
