自社のサプライチェーンが社会や環境に与える影響を改善することに意欲的なマネジャーは、自分の力が及ばない要因が足かせになっていると感じている。

 HBRアドバイザリー・カウンシル(HBRが定期的に知恵を貸してもらっている読者グループ)のメンバーによると、サプライチェーンの持続可能性を向上させる取り組みを妨げる要因として挙げられるのは、コスト、複雑さ、情報不足、ノウハウ不足に加えて、顧客や投資家はこの問題にそれほど関心を持っていないという感覚もあるという。回答者335名のうち79%の人は、自社のサプライチェーンを直接的または間接的に管理する立場にある。

 回答者が特に重視していたのは財務的な要因だった。これは主に、いまの景気低迷のせいかもしれない。それと同時に、持続可能性の改善が必ずしも利益減少につながるわけではなく、むしろ利益改善につながるかもしれないとする学者やコンサルタントなどの説に、企業が納得していないことも示している。