ハーバード大学ユニバーシティ・プロフェッサーのマイケル・ポーターは、大半のCSR(企業の社会的貢献)活動は「本来の事業とほとんど結びついておらず、その多くは自社のイメージ向上を主眼としている」と断じる。実際に、リーマン・ショック後に世界が不況に見舞われると、多くの企業が社会貢献活動を手控えた。
 ウォルマートがその取り組みを開始したのは2005年とけっして早くなかったが、リーマン・ショック以降もその取り組みを加速させている。同社はなぜ、サステナビリティ活動に取り組みながら、EDLP(エブリデー・ロー・プライス)を実現できるのか。成長を維持できるのか。それは最初からサステナビリティ活動を「事業として推進する」ことを明確にしていたからである。いまやそのインパクトはグローバル規模に及んでいる。