必要なのは、計画がない場合でも行動を起こす方法、正しい方向へと進む指針だ。
それでは、マーク・ザッカーバーグ、ラリー・ペイジ、サーゲイ・ブリンのように成功するには何が必要なのだろうか。機会、粘り強さ、幸運などだろう。しかしこの3つをもたらし高めてくれる、別のものがある。私はそれを「4つの要素」と呼んでいる。
●自分の強みを活かす
●自分の弱みと向き合う
●情熱を持ち続ける
●自分を差別化する
以上のことができたら、成功はあなたに微笑むだろう。
ザッカーバーグ、ペイジ、ブリンの3人はテクノロジーを愛してやまず、それに関する才能もある。しかし1人で事業を起こしたのではなく、弱点を補い合うために他者と協力している。そして、他のどんなものとも違うユニークな方法と事業内容によって、自分たちを差別化した。
プリンストンでの私の情熱の対象は、野外活動でリーダーシップを発揮することだった。私の強みはチームの形成と指揮、弱点は神経症的なまでの安全意識だった。しかしアウトドアにおいては、この弱点は長所となる。野外で仲間たちと過ごすことが大好きだった。ニューヨーク市で育った私は都市生活者としての視点を持っており、これが野外活動の初心者に対する独特の指導法に結びついた。
けれども当時の私は、それらを就職にどう役立てればよいかわからなかった。それが長期的なキャリア形成にどう結びつくというのか。森で生活しながら家族を養っていけるのか。それは難しいだろう。だから野外活動のすべてを投げ出そうとした。ロースクールに行くことすら考えた。
しかし私はそうしなかった。代わりに選んだのは、その時やっていたことをやり続けること。「4つの要素」を追求し、それらにマイナスとなるものを変えるという実験を始めたのだ。
私が試してみたのは、野外活動で企業の団体のチーム形成を指導することだった。この仕事で生活は安定した。そして自己の差別化をはかることもできた。他のアウトドアリーダーよりも、企業の世界について詳しくなったのだ。
こうして、私は会社を設立した。ひとつの決断が、次の決断を導いた。18年後の今も私の事業は、強みと弱み、情熱と独自性をより活かすために変容を続けている。3年後にどう変化しているか、自分にもわからない。
人生でたどる道筋をすべて明確にする必要はない。最も成功している人や事業は、はじめは考えてもいなかった方法や分野で能力を発揮しながら、成功への紆余曲折をたどっている。
あなたはすでに、4つの要素に沿った何かを始めているのではないだろうか。それが仕事でも、趣味やひとときの気晴らしでもよい。あなたの強みが活かされ、弱みが受け入れられ、熱中するほど楽しく、あなたの個性が反映される何かをしているはずだ。ならば、そこをスタート地点としてはどうだろう。
原文:Why Not Having a Plan Can Be the Best Plan of All April 28, 2010