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20世紀の影響力と
21世紀の影響力の違い
編集部(以下色文字):人に影響を与える力、すなわち影響力はビジネスに不可欠です。しかしIT社会の到来によって、影響力の性質そのものが大きく変わってきています。影響力というものをどのようにとらえていますか。
ピンク(以下略):まず、影響力の定義についてですが、影響力とは人を動かす力だと思います。働き方を変えさせる、自動車を買わせる、あるいは、親が子どもに歯磨きをさせる、何でも構いませんが、影響力とは人を動かす力そのものだと思います。
20世紀の影響力と21世紀の影響力との大きな違いは、「入手可能な情報の非対称性」によるパワーが失われたことです。たとえば、20世紀には売り手が圧倒的な情報量を持っていました。売り手と買い手との間に情報量の差があったために、売り手は、買い手に対し常に優位に立ち、時には騙したり、ごまかしたり、無理に買わせたりすることもできました。雇用主と従業員との関係も同様です。上司は部下よりも多くの情報を握ることで権力を維持していました。